こんにちは、しゅみすけ(大山俊輔)です。
「英単語帳は一冊を完璧にしたほうがいい?」「何冊も使えば語彙力が増える?」「初心者向けの次は、もう少し難しい単語帳へ進むべき?」
真面目に英語を学んでいる人ほど、書店やYouTubeで紹介された単語帳を見ると、まだ知らない単語の多さが気になります。そして一冊終わる前に別の一冊を買い、机の上には単語帳が増えたのに、英会話では簡単な一言が出てこないことがあります。
先に私自身の話をすると、英会話のために使う単語帳は限りなく0冊に近いです。ただし、これは「英単語を覚えなくてよい」「単語帳には価値がない」という意味ではありません。
英語を読むための単語と、自分の口から出すための単語では、必要な範囲も学び方もかなり違います。まず、その違いを知らないまま冊数だけ増やさないことが大切です。
結論|英会話なら何冊も必要ない。一冊買う前に「何を話したいか」を決める
英会話が目的なら、単語帳を何冊も終える必要はありません。一冊を選ぶ場合も、掲載語数の多さや難易度より、次の条件を優先してください。
- 日常会話で頻繁に使う基本語が中心である
- 単語だけでなく、短い口語例文と音声がある
- 基本動詞・前置詞・助動詞を、複数の場面で学べる
- 見て意味を答えるだけでなく、自分から使う練習ができる
- 自分の仕事・家族・趣味など、話したいテーマを追加できる
さらに言えば、会話の入口では、市販の単語帳がなくても学習は組み立てられます。まず押さえたいのは、少数のコア単語と、自分の生活で本当に使う単語だからです。
| 目的 | 単語帳の必要性 | 優先したい学習 |
|---|---|---|
| 日常英会話 | 必須ではない | コア単語+自分の話題を短文で使う |
| 仕事の会話 | 目的に合えば補助になる | 基本語+自分の業務で使う名詞・表現 |
| 資格試験 | 役立ちやすい | 出題範囲に合う一冊を反復する |
| 英文記事・専門書 | 役立ちやすい | 分野別・頻度別の語彙を増やす |
なぜ英単語帳を何冊やっても話せるようにならないのか
理由1|単語帳には「読むための単語」も多く入っている
一般的な単語帳は、入試・資格試験・英文読解など、特定の目的に合わせて作られています。そこにはニュースや論説文では重要でも、日常会話では自分からほとんど使わない語も含まれます。
読むときは、相手が選んだ単語を理解しなければなりません。そのため、幅広い語彙を「見て分かる状態」にする価値があります。一方、話すときは、自分が知っている言葉を選び直せます。難しい単語を知らなくても、簡単な語の組み合わせで説明できるのです。
つまり、文語の受容語彙と、口語の発信語彙を同じリストで増やそうとすると、学習量が必要以上に膨らみます。
理由2|口語で重要な単語ほど、すでに見たことがある
日常会話で何度も登場するのは、have, get, take, make, go, comeのような基本動詞、in, on, at, to, forのような前置詞、can, will, would, shouldのような助動詞です。
どれも中学英語で見た語なので、単語帳を開いたときには「これは知っている」と飛ばしがちです。しかし、日本語訳を一つ言えることと、会話の場面に合わせて使えることは別です。
たとえば、get=得るだけで覚えると、get tired、get home、get ready、I get it.が別々の暗記事項に見えます。ところが「ある状態・場所へ動いて到達する」という感覚が分かると、見慣れた一語を多くの場面で使い回せます。
英会話の初期に足りないのは、難しい語の絶対量ではなく、知っている基本語を立体的に理解し、取り出す経験であることが多いのです。詳しくは、英単語の覚え方・選び方完全ガイドと、英会話で覚えるべき英単語一覧でも整理しています。
理由3|「知っている語数」と「使える語数」を一緒に数えている
単語帳では、英単語を見て日本語の意味を答えられると、覚えたことになります。しかし会話では、先にあるのは英単語ではありません。目の前の場面や、自分が伝えたい意味です。
「週末は家族と出かけた」「最近仕事が忙しい」「この料理が好き」と言いたいときに、必要な単語と語順を自分で組み立て、音として出す必要があります。単語帳を何周したかではなく、その単語を使って自分の話を何回したかが、発信語彙を育てます。
英会話で最初にそろえる語彙は3層で考える
第1層|文の骨格を動かすコア単語
最優先は、基本動詞・前置詞・助動詞です。これらは一語一訳で覚えるより、共通するコアイメージと複数の場面を結びつけます。
- 基本動詞:人や物の動き、状態の変化、関係を表す
- 前置詞:物・時間・人の位置関係や方向を表す
- 助動詞:可能性、意志、義務、距離感など話し手の感覚を加える
この層は、名詞を入れ替えるだけで多くの文に使えます。しゅみすけの英会話でよく使う基本動詞や、YouTubeの英会話の9割がわかるようになる基本動詞Top55も、この「少数を深く使う」ための教材です。
第2層|自分の会話で主語・目的語・補語になる単語
次に加えるのは、自分が話すテーマに必要な名詞・形容詞・副詞です。すべての人に共通する一冊より、一人ひとり違う小さなリストのほうが役に立ちます。
| 自分のテーマ | 追加する語の例 | 作る文の例 |
|---|---|---|
| 仕事 | client, meeting, deadline | I have a meeting this afternoon. |
| 家族 | daughter, husband, parents | My daughter lives in Osaka. |
| 趣味 | yoga, gardening, movies | I usually do yoga at home. |
| 感情・状態 | busy, tired, excited | I’m a little tired today. |
名詞は「何について話すか」を具体化し、簡単な形容詞は感想や状態を伝え、副詞は頻度や程度を調整します。最初から膨大な一覧を覚えるのではなく、今週、自分が話したかったのに言えなかった語を少しずつ加えてください。
第3層|読む目的に応じて増やす文語・専門語彙
英字新聞、資格試験、研究論文、契約書、専門書を読むなら、その目的に合う単語帳は便利です。出会う頻度の高い語を整理し、学習範囲を決めてくれるからです。
ここでは単語帳を否定する必要はありません。ただし、「読んで分かりたい語」と「会話で自分から使いたい語」を分けて管理すると、すべてを話せる状態にしようとして消耗せずに済みます。
会話に使える英単語帳を一冊選ぶ5つの基準
1.難しい語より、基本語の使い方が豊富か
知らない単語が多い本ほど価値が高く見えますが、会話初心者には逆の場合があります。見慣れた基本語が、異なる場面や組み合わせで何度も登場する本を選びましょう。
2.例文が短く、本当に口から出せるか
意味を正確に説明するための長い例文より、主語と動詞が見え、少し入れ替えれば自分にも使える短文が向いています。例文を読んで「こんな立派な文は自分では言わない」と感じるなら、発信練習には重すぎます。
3.自然な音声があり、文字を閉じても練習できるか
会話が目的なら、最後は文字のない状態から音を出します。単語と例文の音声があり、聞く・まねる・閉じて言うところまで進められる教材が便利です。
4.日本語訳が一つに固定されていないか
基本動詞や前置詞には、日本語訳を並べるだけでは見えにくい共通感覚があります。一つの訳語だけでなく、場面や図、語の組み合わせから理解できる構成を選んでください。
5.一冊を終えることより、自分の文を作れるか
ページを順番に消化するだけでなく、掲載された語から自分に必要なものを選び、自分の一文へ変えられる余白があることが大切です。教材はカリキュラムの主人ではなく、必要な部品を取り出す道具です。
一冊を「終わらせる」のではなく、会話に移す使い方
- 一日に5〜10語だけ選ぶ:全部ではなく、近いうちに使いそうな語を優先します。
- 音と場面を確認する:訳語だけでなく、誰が誰にどんな状況で使うかを見ます。
- 自分の短文を一つ作る:例文の名詞・時・場所を、自分の生活へ置き換えます。
- 本を閉じて口から出す:日本語訳を読むのではなく、場面を思い浮かべて言います。
- 翌日、3日後、1週間後に使う:忘れかけた頃に、同じ語で少し違う文を作ります。
一冊に2,000語あっても、最初からすべてを同じ深さで覚える必要はありません。「見れば分かればよい語」「自分から使いたい語」「今は不要な語」に分けると、学習が現実的になります。
同じ単語をただ何度も書くより、見本を隠して思い出し、自分の文として話すほうが会話の出口に近づきます。書く学習の使い分けは、英単語は書いて覚えるべき?でも詳しく解説しています。
英単語帳を買い足す前に確認したい3つの質問
- 今の一冊で知らない語が問題なのか、知っている語が口から出ないのか
- 増やしたいのは、読むための語彙か、話すための語彙か
- 次の一冊に、自分が実際に話したい内容が入っているか
知っている基本語が口から出ないなら、次の単語帳へ進んでも同じ問題が残る可能性があります。新しい語を100語増やす前に、すでに知っている10語で10通りの自分の話をするほうが、英会話の変化を感じやすいでしょう。
よくある疑問
英単語帳は一冊を完璧にするべき?
一冊の全単語を同じ水準まで完璧にする必要はありません。試験対策なら出題範囲を反復する価値がありますが、会話目的なら、自分が使いたい語を選び、音・場面・短文まで深く練習してください。
中学英単語の単語帳からやり直したほうがよい?
中学レベルの語に抜けが多い場合は役立ちます。ただし、一覧を最初から覚え直すだけでなく、基本動詞・前置詞・助動詞を優先し、自分の生活の文へ変えてください。やり直す順番は、大人の学び直しに必要な中学英単語でも紹介しています。
アプリと紙の単語帳ならどちらがよい?
復習間隔の管理や音声確認にはアプリ、場面を書き足して自分の一文を作るには紙が便利です。媒体よりも、答えを眺めるだけで終わらず、隠して思い出し、口から使う設計になっているかを見てください。
筆者・大山俊輔(しゅみすけ)が単語帳を限りなく使わない理由
私は約20年、大人の英語学習とコーチングに携わり、YouTubeでも基本動詞・前置詞・助動詞などを数多く解説してきました。学習者を見ていると、難しい単語を知らないから話せないというより、見慣れた単語の本質を知らず、自分の場面から取り出せないケースが非常に多くあります。
そのため、私自身は単語帳を何冊も進めるより、基本語を場面の中で理解し、自分が話すテーマに必要な名詞・形容詞・副詞をその都度足していきます。英会話に必要な範囲なら、be:RIZEのこの英単語コーナーを順番に活用することで、土台の多くは学べるように設計しています。
まとめ|単語帳の冊数ではなく、少ない語を何場面で使えるか
英単語帳は、目的に合えば便利な道具です。資格試験や読解、専門分野の語彙を体系的に増やすなら、一冊を軸にする価値があります。
一方、英会話の第一段階で大切なのは、知らない単語を際限なく増やすことではありません。
- 基本動詞・前置詞・助動詞を、訳語ではなく感覚で理解する
- 自分の話題に必要な名詞・形容詞・副詞を少しずつ加える
- 短い自分の文を作り、本を閉じて口から出す
- 読む目的が生まれたら、その分野の文語語彙を広げる
新しい1,000語を眺めるより、知っている100語を自分の会話で使い回す。ここから始めると、単語学習が「終わらない暗記」から「伝えられる材料づくり」に変わります。
単語帳を増やしても、会話で言葉が出てこない方へ
必要なのは、もっと多く覚えることではなく、今ある語彙をどの順番で使える状態へ変えるかもしれません。読む・聞く・書く・話すのどこで止まっているかによって、優先する練習は変わります。
be:RIZEでは、代表の大山俊輔(しゅみすけ)が現在の学習状況と目的を確認し、基本語の学び直しから実際の会話練習まで、必要な順番を一緒に整理しています。面談の内容を先に知りたい方は、be:RIZEの無料相談で行うことをご覧ください。サービス全体や資料は、be:RIZE公式サイトから確認できます。



