英語の自動詞と他動詞の違いは、動詞の直後に目的語を直接置くかどうかです。
自動詞は、動きや出来事が主語のところでひとまず成立します。他動詞は、主語から出た動きが「誰・何」という対象へ直接届きます。
The baby cried.
(赤ちゃんが泣きました)She opened the door.
(彼女はドアを開けました)
criedは「何を泣いた」と対象を必要としない自動詞です。openedは動きがthe doorへ直接届く他動詞として使われています。
ただし、「この単語は必ず自動詞」「この単語は必ず他動詞」と覚えるだけでは不十分です。open、change、startのように、同じ動詞が文によって自動詞にも他動詞にもなるからです。この記事では、目的語と前置詞の違い、見分け方、間違いやすい動詞、自他両用動詞、受動態との関係まで例文で整理します。
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しゅみすけ
「自動詞は自分で動く、他動詞は他人を動かす」と覚えると、すぐ例外にぶつかります。大切なのは、動きがその場で成立するのか、対象へ直接届くのかを見ることです。

自動詞と他動詞の違い|目的語を直接取るか
| 項目 | 自動詞 | 他動詞 |
|---|---|---|
| 英語 | intransitive verb | transitive verb |
| 基本の形 | S+V | S+V+O |
| 動きの見え方 | 主語の動き・出来事として成立 | 動きが対象Oへ直接届く |
| 目的語 | 直接取らない | 直接取る |
| 対象との接続 | 必要なら前置詞を介する | 前置詞なしで目的語を置く |
| 受動態 | 原則作れない | 目的語を主語へ移して作れる |
学校文法では、自動詞が中心となる骨格を第1文型SV、他動詞が目的語を一つ取る骨格を第3文型SVOと呼びます。詳しくは第1文型SVとは?と第3文型SVOとは?で確認できます。

自動詞とは?主語の動きだけで文の骨格が成立する
自動詞は、目的語を直接必要としない動詞の使い方です。主語が動く、変化する、存在する、出来事が起こるといった内容が、主語+動詞でひとまず成立します。
Birds fly.
(鳥は飛びます)The train arrived.
(電車が到着しました)My phone rang.
(携帯電話が鳴りました)Something happened.
(何かが起きました)
これらは動詞の直後に目的語を置かなくても、何が起きたか分かります。場所・時間・相手などを足す場合は、前置詞を使うことがあります。
The train arrived at the station.
(電車は駅に到着しました)She listened to the music.
(彼女はその音楽を聴きました)We waited for the bus.
(私たちはバスを待ちました)
the station、the music、the busはいずれも名詞ですが、動詞の目的語ではありません。at、to、forという前置詞の後ろに置かれた名詞です。
他動詞とは?動きが目的語へ直接届く
他動詞は、「誰を・何を」という対象を前置詞なしで直接取ります。目的語を置くことで、動きの向かう先や、思考・知覚の内容が完成します。
She opened the window.
(彼女は窓を開けました)I need your help.
(あなたの助けが必要です)We discussed the problem.
(私たちはその問題について話し合いました)I remember his name.
(彼の名前を覚えています)
日本語では「問題について話し合う」と言うため、discuss about the problemとしたくなります。しかし、discuss自体が対象を直接取る他動詞なので、aboutは不要です。
目的語と「前置詞+名詞」の違い
動詞の後ろに名詞が見えても、それだけで目的語とは限りません。間に前置詞が入っているかを確認します。
She reached the station.
(彼女は駅に着きました)She arrived at the station.
(彼女は駅に着きました)
reachは、動きが到達点the stationへ直接届く他動詞です。arriveは到着という出来事が主語のところで成立する自動詞で、到着地点との関係をatで示します。
| 形 | 動詞の使い方 | 名詞の役割 |
|---|---|---|
| reach the station | 他動詞 | the station=reachの目的語 |
| arrive at the station | 自動詞 | the station=atの後ろの名詞 |
| discuss the plan | 他動詞 | the plan=discussの目的語 |
| talk about the plan | 自動詞 | the plan=aboutの後ろの名詞 |
前置詞は単なる飾りではありません。「到着点」「話題」「待っている対象」など、動詞と名詞の関係を先に示します。詳しくは英語の前置詞はなぜ名詞の前に置く?をご覧ください。
自動詞と他動詞の見分け方
1.動詞だけで出来事が成立するか
The baby cried.、The train arrived.のように、主語+動詞だけで何が起きたか成立すれば、自動詞用法です。
2.直後に「誰・何」という対象が必要か
She opened …と聞くと、「何を開けたのか」が自然に期待されます。対象を前置詞なしで直接置くなら、他動詞用法です。
3.名詞の前に前置詞があるか
listen to musicのmusicは、動詞listenの目的語ではなく、前置詞toの後ろに置かれています。骨格はSVで、to musicが対象との関係を足します。
4.受動態にできるか
他動詞の目的語は、受動態で主語へ移せます。
They opened the door.
↓
The door was opened.
自動詞には直接の目的語がないため、原則として受動態を作れません。受動態との関係は英語の受動態とは?で詳しく説明しています。
日本人が間違えやすい自動詞・他動詞
| 自動詞+前置詞 | 他動詞 | 意味 |
|---|---|---|
| arrive at / in | reach | 〜に到着する |
| talk about | discuss | 〜について話す |
| listen to | hear | 〜を聴く/聞く |
| look at | see / watch | 〜を見る |
| wait for | await | 〜を待つ |
| go into | enter | 〜に入る |
| reply to | answer | 〜に返事する |
| apologize to | — | 〜に謝る |
arrive at the station / reach the station
○ We arrived at the airport.
○ We reached the airport.
× We arrived the airport.
× We reached to the airport.
discuss the issue / talk about the issue
○ Let’s discuss the issue.
○ Let’s talk about the issue.
× Let’s discuss about the issue.
listen to music / hear music
listenは意識を音の方向へ向ける動きなので、対象との方向をtoで示します。hearは音を知覚の対象として直接捉えるため、目的語をそのまま置きます。
I was listening to music.
(音楽を聴いていました)I heard a strange noise.
(奇妙な音が聞こえました)
形が似ていて間違えやすい自動詞と他動詞
| 自動詞 | 他動詞 | 例 |
|---|---|---|
| rise(上がる) | raise(〜を上げる) | Prices rose. / They raised prices. |
| lie(横になる) | lay(〜を横たえる) | He lay down. / He laid the book down. |
| sit(座る) | seat(〜を座らせる) | Please sit. / Please seat the guests. |
| fall(落ちる) | drop(〜を落とす) | The glass fell. / I dropped the glass. |
riseは主語そのものが上がり、raiseは主語が別の対象を上げます。日本語ではどちらも「上がる・上げる」と対になりやすいので、「誰・何が変化するのか」を先に置くと見分けやすくなります。
同じ動詞が自動詞にも他動詞にもなる
英語では、一つの動詞が自動詞と他動詞の両方で使われることがよくあります。単語そのものに一枚のラベルを貼るのではなく、その文で目的語を直接取っているかを見ます。
| 動詞 | 自動詞 | 他動詞 |
|---|---|---|
| open | The door opened. ドアが開いた | She opened the door. 彼女がドアを開けた |
| change | The schedule changed. 予定が変わった | We changed the schedule. 予定を変えた |
| start | The meeting started. 会議が始まった | She started the meeting. 彼女が会議を始めた |
| break | The window broke. 窓が割れた | He broke the window. 彼が窓を割った |
| move | The car moved. 車が動いた | He moved the car. 彼が車を動かした |
日本語では「開く/開ける」「始まる/始める」のように形を変えることがありますが、英語では同じ形のまま視点だけを変えられます。changeのコアイメージやbreakのコアイメージでも、自動詞・他動詞の広がりを確認できます。
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しゅみすけ
英語は、まず主語の側で変化が起きた場面を言えます。次に「誰がその変化を起こしたのか」を加えると、同じ動詞のまま他動詞へ切り替えられることがあります。
自動詞・他動詞と5文型の関係
自動詞・他動詞は、5文型と切り離された別の暗記事項ではありません。動詞の後ろにどんな部品を必要とするかを示しています。
| 文型 | 動詞の使い方 | 例文 |
|---|---|---|
| SV | 自動詞 | The baby cried. |
| SVC | 主語と補語を結ぶ自動詞 | She became a doctor. |
| SVO | 他動詞 | She opened the door. |
| SVOO | 目的語を二つ取る他動詞 | She gave me a book. |
| SVOC | 目的語と補語を取る他動詞 | They made me happy. |
つまり、目的語Oがある第3・第4・第5文型では他動詞用法が中心です。第1・第2文型には直接目的語がなく、自動詞用法が入ります。全体像は英語の5文型とは?で整理しています。
句動詞では「動詞+小さな語」を一組で見る
look at、listen to、wait forのような形では、小さな語が動詞と対象の関係を作ります。また、turn down an offerのように、動詞とパーティクルが一組になって目的語を取る句動詞もあります。
She looked at the picture.
(彼女はその絵を見ました)She turned down the offer.
(彼女はその申し出を断りました)
単語を一つずつ切らず、「この動詞は何と組み合わさって、対象へどうつながるか」をまとまりで見ます。句動詞の基本は英語の句動詞とは?で確認できます。
よくある間違い
他動詞の後ろに不要な前置詞を置く
× discuss about the problem
○ discuss the problem× enter into the room
○ enter the room× reach to the station
○ reach the station
なお、enter into an agreementのように別の意味・まとまりでintoを使う場合はあります。ここでは「部屋へ入る」という基本用法を比べています。
自動詞の後ろへ名詞を直接置く
× arrive the airport
○ arrive at the airport× listen music
○ listen to music× wait the bus
○ wait for the bus
日本語の助詞だけで判断する
日本語の「〜を」「〜に」「〜について」は手がかりにはなりますが、英語の目的語と一対一では対応しません。「駅に着く」でもreach the stationは他動詞です。「問題について話し合う」でもdiscuss the problemには前置詞を置きません。
中学英語で言い換えるなら、知っている動詞の型を使う
自動詞か他動詞か迷ったとき、難しい動詞を無理に使う必要はありません。自分が確実に知っている短い型へ言い換えられます。
We discussed the problem.
↓
We talked about the problem.
(その問題について話しました)We reached the hotel at nine.
↓
We got to the hotel at nine.
(9時にホテルへ着きました)I await your reply.
↓
I’m waiting for your reply.
(お返事をお待ちしています)
しゅみすけ式では、まず「誰が・どうする」を置き、次に動きが対象へ直接届くのか、場所・方向・話題などの関係を前置詞で足すのかを決めます。get to、talk about、wait forのような基本語の組み合わせを持っておけば、難しい他動詞を思い出せなくても目的を達成できます。
自動詞と他動詞の練習問題
- We arrived ( at / — ) the station at noon.
- Let’s discuss ( about / — ) the new plan.
- She listened ( to / — ) the podcast.
- The door ( opened / opened it ) slowly.
- They ( rose / raised ) the price.
答え
- at:arriveは自動詞
- 前置詞なし:discussは他動詞
- to:listenは自動詞で、対象をtoでつなぐ
- opened:ドア自体が開いた自動詞用法
- raised:価格を上げたので目的語を取る他動詞
自動詞と他動詞についてよくある質問
自動詞は目的語を絶対に取らないのですか?
自動詞用法では直接目的語を取りません。ただし、前置詞を介して名詞とつながったり、同族目的語と呼ばれる限定的な形が使われたりすることはあります。最初は「直接置くのか、前置詞を介するのか」を基準にすれば十分です。
辞書ではどう確認しますか?
英和辞典では「自」「他」、英英辞典では[I](intransitive)・[T](transitive)などの表示を確認します。両方の表示がある動詞は、例文を見て目的語の有無と意味の変化を確かめましょう。
前置詞の後ろの名詞は目的語ではないのですか?
その名詞は前置詞の目的語と呼ばれることはありますが、文型を判断するときの「動詞の目的語O」ではありません。She listened to music.の骨格はSVで、to musicは前置詞句です。
まとめ|動きが対象へ直接届くかを見る
- 自動詞は目的語を直接取らず、主語の動き・出来事として成立する
- 他動詞は動きが目的語Oへ直接届く
- 自動詞は必要に応じて前置詞を介して名詞とつながる
- 動詞の後ろに名詞があっても、前置詞の後ろなら動詞の目的語ではない
- 同じ動詞が自動詞と他動詞の両方で使われることがある
- 他動詞の目的語は受動態の主語へ移せる
- 迷ったら、確実に知っている基本動詞+前置詞へ言い換える
自動詞・他動詞は暗記用の分類ではなく、英語が出来事をどう組み立てるかを示す仕組みです。「主語から動きが出る」「その動きが対象へ届く」「関係を前置詞で足す」の順に場面を見れば、文型も前置詞も一つの流れで理解できます。
英文法を、実際の会話へつなげたい方へ
be:RIZEでは、文法用語を覚えて終わらせず、場面から主語・動詞・対象を置き、短い骨格を口から出す練習へつなげます。詳しくはbe:RIZEの学習メソッドと進め方をご覧ください。
自動詞と他動詞の違いも、用語だけを覚えるのではなく、自分の一日の出来事をSV・SVO・動詞+前置詞で言い分けることで定着します。
be:RIZEでは、語彙・文法・リスニング・スピーキングの現在地を確認し、知識が会話につながらない原因と、目的に合う学習順を一緒に整理しています。
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