doは、中学校の最初に習う単語です。意味を聞かれたら、おそらくほとんどの人が「する」と答えると思います。
もちろん、それで間違いではありません。
ただ、「do=する」だけで覚えていると、英会話でdoを使おうとした瞬間に迷います。
do the dishesは「食器をする」? do my hairは「髪をする」? That’ll do.は「それはするでしょう」?
日本語訳だけでは、なぜdoが使われているのかが見えてきません。
doのコアイメージは、活動・作業・役割を実行する、遂行するです。
makeが「新しい結果や状態を生み出す」動詞なら、doは「目の前にある活動を実際にやる」動詞。今回は、しゅみすけの過去のレッスン台本をベースに、日常会話で使えるdoの感覚を整理します。
doのコアイメージは「活動・作業・役割を実行する」

doが意識しているのは、何かを新しく作り出すことよりも、その活動を行うことです。
食器洗いをする。宿題をする。運動をする。仕事をする。どれも、そこにある作業や役割へ入り、実際に手を動かして進めています。
言い換えると、doは「行動の箱」のようなものです。
箱の中身が皿洗いなら do the dishes。宿題なら do my homework。仕事なら do some work。英語では、何の活動を行うのかをdoの後ろに置きます。
誰が → doする → 何を
このシンプルな骨格が見えれば、doは一気に使いやすくなります。
1.家事や日常の作業を「こなす」do
doが最も分かりやすく使われるのが、家事や日常の作業です。
- do the dishes:食器を洗う
- do the laundry:洗濯する
- do the cleaning:掃除する
- do the cooking:料理をする
- do the shopping:買い物をする
ここで大切なのは、do自体が「洗う」「掃除する」「買う」という細かい動きを表しているわけではないことです。
the dishesという家事、the laundryという家事を遂行する。その全体をdoで包んでいます。
I’ll do the dishes tonight.
今夜は私が食器を洗うよ。
I have to do the laundry.
洗濯しないといけない。
もちろん、食器を一枚ずつ洗う具体的な動作を描写するならwash the dishesとも言えます。doを使うと、「皿洗いという担当・用事を引き受けてやる」という見え方になります。
2.身支度やケアにもdoを使える
doは、身支度や手入れといった一連の活動にも使われます。
- do my hair:髪を整える
- do my makeup:メイクする
- do my nails:ネイルをする
I need to do my hair.
髪を整えないと。
She’s doing her makeup.
彼女は今メイクをしています。
髪をとかす、巻く、結ぶ。化粧水をつけ、ファンデーションを塗り、口紅をつける。細かく見れば複数の動作があります。
でも、それらをひとまとまりの「身支度という活動」として見るからdoが使えます。
なお、do my teethを「歯を磨く」の一般的な言い方として使うのは避け、通常はbrush my teethと言うのが自然です。doは便利ですが、すべての「する」を置き換えられるわけではありません。
3.宿題・仕事・役割を遂行するdo
決められた課題や、やるべき仕事をこなすときにもdoがよく使われます。
- do my homework:宿題をする
- do some work:仕事をする
- do a task:作業を行う
- do research:調査・研究をする
- do business:取引・事業を行う
- do my job:自分の仕事・役割を果たす
I’m doing my homework now.
今、宿題をしています。
I have some work to do.
やるべき仕事があります。
I’m just doing my job.
私は自分の仕事をしているだけです。
do my jobには、単に作業するだけでなく、「自分に割り当てられた役割を果たす」という感覚があります。
この「割り当てられた活動を遂行する」というイメージは、doの中心そのものです。
4.運動・トレーニングを実行するdo
運動やトレーニングにもdoが使われます。
- do yoga:ヨガをする
- do some exercise:運動する
- do 20 push-ups:腕立て伏せを20回する
- do judo:柔道をする
I do yoga every morning.
毎朝ヨガをしています。
I did 30 sit-ups today.
今日は腹筋を30回しました。
ただし、スポーツなら何でもdoになるわけではありません。
- 球技・対戦競技:play tennis / play soccer
- 移動を伴う活動:go running / go swimming
- 個人で行う運動・武道・型のある活動:do yoga / do karate
これは厳密な数式ではありませんが、doは「活動やメニューを実行する」と捉えると選びやすくなります。
5.do my bestは「自分の最善を実行する」
Do your best.は「頑張って」と訳されます。
しかし、doの感覚から見ると、ただ精神論で気合を入れる表現ではありません。
your best=自分にできる最善を、実際の行動としてdoする。つまり「できる限りのことをやってね」ということです。
- I’ll do my best.:最善を尽くします
- Just do your best.:とにかく、できる限りやってみて
- You did a great job.:よくやったね
- You did really well.:本当によくできたね
How did I do?
私、どうだった?/うまくできてた?
これも直訳の「私はどうした?」ではありません。自分が行ったパフォーマンスや仕事の出来を尋ねています。
6.do someone a favorは「人のための行為をする」
doの後ろに「人+活動」を置く表現もあります。
Can you do me a favor?
お願いを聞いてもらえますか?
直訳に近い感覚は、「私に一つ親切な行為を実行してくれますか?」です。
Could you do this for me?
これを私のためにやってもらえますか?
That would do me a lot of good.
それは私にとって、とてもためになるでしょう。
do goodなら良い作用をもたらす、do harmなら害を与える。ここでも、goodやharmという作用・働きを実際に及ぼすイメージです。
7.What do you do?とHow are you doing?のdo
doは、具体的な活動名を言わずに「何をしているのか」をまとめて指すこともできます。
What do you do?
お仕事は何をしていますか?
文脈がない場面では、日常的に行っている活動・職業を尋ねる表現です。
What are you doing?
今、何をしているの?
こちらは、今まさに実行している活動を尋ねています。似ていますが、聞いている時間の幅が違います。
How are you doing?
調子はどう?
ここでは「人生や物事を、今どんな具合にやっている?」という感覚から、相手の状態を尋ねる挨拶になっています。
8.That’ll do.は「それで用が果たせる」
That’ll do.は、doのコアがよく見える表現です。
意味は「それで大丈夫」「それで間に合う」「それで十分」です。
I don’t have a large bag. Will this one do?
大きなバッグがないんだけど、これで間に合う?
Yes, that’ll do.
うん、それで大丈夫。
そのモノで必要な役割を実行できる、目的を果たせる。だからdoが使われています。
人が活動を行う場合だけでなく、モノが「役に立つ・用を果たす」場合にも、doの遂行イメージが広がっているわけです。
9.didとhave doneは何が違う?
しゅみすけの過去の台本では、didとhave doneの違いも扱っています。
I did my homework.
宿題をやった。
I’ve done my homework.
宿題はもう終わっているよ。
didは、過去にその活動を実行した出来事を述べます。一方、have doneは、doが完了した状態を今haveしている、つまり「今、終わった状態にある」ことへ意識が向きます。
たとえば、お母さんから「宿題は終わったの?」と聞かれた場面なら、I’ve done my homework.が自然です。重要なのは過去の何時にやったかより、「今はもう完了している」ことだからです。
ただし、yesterdayやlast nightなど、終わった過去の時点を明示するなら、通常は過去形を使います。
I did my homework last night.
昨夜、宿題をしました。
doは疑問文・否定文を支える裏方にもなる
doには、Do you know?やI don’t know.のように、疑問文や否定文を作る「助動詞」の役割もあります。
- Do you like coffee?:コーヒーは好きですか?
- I don’t like coffee.:コーヒーは好きではありません
- Did you call her?:彼女に電話しましたか?
このdoは、do the dishesのように活動内容を表すdoとは文法上の働きが異なります。
ただ、一般動詞の文を「実際に動かす」ためのスイッチのような存在、と捉えると、完全に無関係な単語には見えなくなります。疑問・否定・強調の形を作るため、文の前面に出て働いているのです。
I do understand.
本当に分かっています。
肯定文でdoをあえて入れると、動詞を強調することもできます。
makeとdoの違いは「結果」か「活動」か
前回のmakeと比べると、doの輪郭がよりはっきりします。
- make:手を加えて、新しいモノ・結果・状態を生み出す
- do:活動・作業・役割を実行する
make dinnerでは、夕食という完成物・結果に意識があります。
do the cookingでは、料理という活動全体を行うことに意識があります。
make a planは、計画という新しい結果を生み出す。do the planningは、計画を立てる作業を行う。
同じ場面でも、話し手が「出来上がったもの」を見るか、「行った活動」を見るかで、動詞が変わることがあります。
詳しい使い分けは、makeとdoの違い|「作る・する」の丸暗記を卒業する使い分けで、2つを並べて整理しています。先にmakeの感覚を確認したい方は、makeのコアイメージは「作る」ではないを読んでみてください。
動画で基本動詞の感覚を確認する
have、take、get、make、doのような基本動詞は、日本語訳を増やすより、コアイメージを動画と例文で何度も動かすほうが定着します。
まとめ:doは「目の前の活動を動かす」動詞
doのコアイメージは、活動・作業・役割を実行する、遂行するです。
- do the dishes:皿洗いという家事を行う
- do my homework:宿題という課題を行う
- do yoga:ヨガという活動を行う
- do my best:自分にできる最善を実行する
- do me a favor:私のために親切な行為をする
- That’ll do.:それで必要な役割を果たせる
doは簡単すぎて、分かったつもりになりやすい単語です。でも、ネイティブの日常会話を支えているのは、こういう短い基本動詞です。
ほかの基本動詞も整理したい方は、have・take・getの違い、haveのコアイメージ、takeのコアイメージ、getのコアイメージもあわせてどうぞ。
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