「startは始める、stopは止める」。意味だけなら簡単そうに見えますが、start doingとstart to doはどう違うのか、stop doingとstop to doではなぜ意味が変わるのかと聞かれると、急に迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
ポイントは、日本語訳を増やすことではありません。startとstopが表す「動き」を頭の中に置くことです。この記事では、2語のコアイメージから基本の使い方、to不定詞・動名詞との組み合わせ、よく使う表現までを例文とともに解説します。
この記事は、YouTubeで基本動詞の解説動画を発信し、英会話スクールの運営にも長年携わるしゅみすけ(大山俊輔)が監修しています。
start / stopのコアイメージ
startのコアイメージは「止まっていたものが動き出し、その先へ続く」です。車がアクセルを踏んで走り出すように、ゼロだった動きが生まれる瞬間を表します。人の行動だけでなく、雨、仕事、イベント、機械、生活など、さまざまなものの始まりに使えます。
一方、stopのコアイメージは「進行中のものに停止ボタンを押す」です。すでに動いている人や物、続いている行為・状態を、ある地点で止めます。「何が動いていて、何にブレーキをかけるのか」を意識すると、後ろにdoingとto doが続くときの違いも自然に見えてきます。
startの意味と基本的な使い方
start+名詞:物事を始める・始まる
startの直後に名詞を置くと、「その物事を始める」という意味になります。
Let’s start the meeting.
会議を始めましょう。
She started a new job in April.
彼女は4月に新しい仕事を始めました。
startは目的語を取らず、「始まる」とも言えます。
The movie starts at seven.
映画は7時に始まります。
start doingとstart to doの違い
startの後ろには動名詞doingもto不定詞to doも置けます。多くの場面ではどちらも「〜し始める」で、意味に大きな違いはありません。
It started raining.
雨が降り始めました。
It started to rain.
雨が降り始めました。
感覚を細かく捉えるなら、doingは始まった行為の中に視点があり、その動きが続いている感じ、to doは行為が始まる起点に視線を向ける感じです。ただし、これは絶対的なルールではありません。日常会話では入れ替えられることが多いため、まずは両方使えると覚えて問題ありません。
ただし、start自体が進行形のときは、音が重なるstart doingよりもstart to doの方が自然に感じられることがあります。
I’m starting to understand it.
だんだん分かり始めています。
また、understandやrealizeのように「変化の始まり」を表す動詞では、to doがよく使われます。とはいえ、試験のために細かな例外を暗記するより、「startはゼロから動きが生まれる」と掴む方が実際の会話には役立ちます。
start with・start fromの違い
start withは「最初に何を使う・行うか」、start fromは「どの地点を出発点にするか」に焦点があります。
Let’s start with a simple question.
簡単な質問から始めましょう。
Prices start from 5,000 yen.
価格は5,000円からです。
withは「〜と一緒に」という感覚なので、最初の材料や内容を示します。fromは出発点から離れていく感覚があるため、場所・金額・時間などの起点を示します。
stopの意味と基本的な使い方
stop+名詞:人・物・出来事を止める
stopの後ろに名詞を置くと、その人や物の動き、出来事の進行を止める意味になります。
Please stop the car here.
ここで車を止めてください。
Nothing can stop us.
何ものも私たちを止められません。
目的語がなければ、自分自身や主語の動きが止まる意味になります。
The bus stopped suddenly.
バスは突然止まりました。
stop doingとstop to doの違い
ここがstopで最も重要なポイントです。2つは日本語訳が似て見えても、文の構造が異なります。
| 形 | 何を止める? | 意味 |
|---|---|---|
| stop doing | doingという行為 | 〜するのをやめる |
| stop to do | その時していた別の行為 | 〜するために立ち止まる/手を止める |
He stopped smoking.
彼はタバコを吸うのをやめました。
この文ではsmokingがstopの対象です。吸っている状態に停止ボタンを押しています。
He stopped to smoke.
彼はタバコを吸うために立ち止まりました。
こちらで止めたのはsmokeではありません。歩く、働く、運転するなど、それまでしていた別の行為です。to smokeは「何のために止まったのか」を示す目的になっています。「stop to do」という一つの熟語として覚えるのではなく、「stop(いったん止まる)+to do(〜するために)」と分けるのがコツです。
We stopped to take a picture.
私たちは写真を撮るために立ち止まりました。
We stopped taking pictures.
私たちは写真を撮るのをやめました。
この2文を比べると違いが明確です。前者は写真撮影がこれから始まり、後者は続いていた写真撮影が終わります。
can’t stop doing:どうしてもやめられない
can’t stop doingは、感情・思考・習慣などが続き、停止ボタンを押せない様子を表す会話の定番です。
I can’t stop thinking about you.
あなたのことを考えずにはいられません。
She couldn’t stop laughing.
彼女は笑いが止まりませんでした。
I can’t stop eating these cookies.
このクッキーを食べる手が止まりません。
日本語では「〜せずにはいられない」「〜が止まらない」と訳すと自然ですが、英語では一貫して「続いているdoingをstopできない」という絵です。
stop by・stop at:少し立ち寄る/ある地点で止まる
stopの「いったん動きを止める」感覚は、句動詞にも残っています。stop byは移動の途中で少し立ち寄ることです。
I’ll stop by your office this afternoon.
今日の午後、あなたのオフィスに立ち寄ります。
stop atは、止まる地点を示します。
This train stops at Shinjuku.
この電車は新宿に停車します。
beginとstartに違いはある?
beginも「始める・始まる」を表し、多くの文でstartと置き換えられます。一般に、startは会話的で、機械や事業など幅広い対象に使えるのに対し、beginは少し改まった響きがあります。
The class starts at nine.
The class begins at nine.
授業は9時に始まります。
どちらも自然です。一方で、エンジンや機械を作動させる場合はstartが普通です。
Start the engine.
エンジンをかけてください。
日常会話ではまずstartを自在に使えるようにし、文章やスピーチで少し改まった響きを出したいときにbeginを選ぶとよいでしょう。
start / stopを会話で使うための練習法
基本動詞は、訳語を眺めるだけでは会話で出てきません。身の回りの「動き出したもの」と「止まったもの」を、短い英語にしてみましょう。
- 今から始めることを一つ言う:I’ll start cooking.
- 最近やめたことを一つ言う:I stopped checking my phone before bed.
- 何かのために手を止める文を作る:I stopped to answer the phone.
とくに2と3をセットで口にすると、stop doingとstop to doの構造が体で分かるようになります。正しい英文を知っていても、とっさに組み立てるには反復が必要です。独学では「自分の英文が自然か分からない」「理解はしたのに話すと止まる」と感じることもあります。
be:RIZEでは、知識を覚えるだけでなく、自分の話したいことを英語にして使う練習を大切にしています。学習の進め方を整理したい方は、受講前に知っておきたいことも参考にしてください。ご相談はお問い合わせページから受け付けています。
動画で基本動詞の感覚をまとめて確認
start / stopを含む基本動詞Top55は、しゅみすけのYouTube動画でもイラスト付きで解説しています。単語を一つずつ訳すのではなく、コアイメージでつなげて理解したい方は、あわせてご覧ください。
まとめ
- start:止まっていたものが動き出し、その先へ続く
- stop:進行中のものに停止ボタンを押す
- start doing / start to do:多くの場合、どちらも「〜し始める」
- stop doing:doingという行為をやめる
- stop to do:別の行為を止め、doする
startとstopは正反対の単語ですが、どちらも「動き」を見る動詞です。何が動き出すのか、何に停止ボタンを押すのか。この映像を思い浮かべれば、丸暗記に頼らず英文を組み立てられるようになります。
今日から何かを始めるなら、I’m going to start …。続けてきた習慣をやめるなら、I’m going to stop …ing.。まずは自分に関係のある一文を声に出してみてください。基本動詞は、知っている単語から「使える単語」に変わったとき、英会話の大きな味方になります。
基本動詞を一覧から学びたい方へ
この動詞を英語全体の中で位置づけたい方は、親記事「英語の基本動詞とは?少ない単語で英会話が広がる理由とコアイメージ学習法」をご覧ください。



