She enjoys reading books.
彼女は本を読むことを楽しんでいます。
この英文には、enjoysとreadingという、動詞のように見える語が2つあります。しかし、文の時制を背負い、主語Sheと結びついているメイン動詞はenjoysだけです。
reading booksも「本を読む」という動きを持っていますが、現在形・過去形を決めたり、主語に合わせて形を変えたりはしません。動きをひとかたまりにして、enjoysの目的語の席へ置いています。
このように、動詞の意味を残しながら、文のメイン動詞ではなく名詞・形容詞・副詞などの部品として働く形を準動詞と呼びます。
準動詞とは、動詞から主語と時制を背負う役目を外し、「動き」だけを文の別の場所で使える部品にしたものです。
学校英文法では、主にto不定詞・動名詞・分詞の3種類を準動詞として学びます。この記事では、3種類に共通する仕組み、見分け方、文中での役割、時制や意味上の主語との関係を例文で解説します。
「一つの文に動詞は一つ」と教わったのに、to doやdoing、doneが次々に出てくる。ここで混乱する方は少なくありません。正確には、時制を持って文の骨格を作るメイン動詞が一つで、その周りへ動きの部品を追加できる、と考えると見通しがよくなります。
英会話スクール「b わたしの英会話」・英語コーチング「be:RIZE」創業者
目次
- 準動詞とは?動詞の意味を残した文の部品
- 準動詞のコアイメージ|主語と時制を外し、動きを持ち運ぶ
- 準動詞の3種類|to不定詞・動名詞・分詞
- to不定詞|これからの動作へ矢印を向ける
- 動名詞|動いている場面を対象として置く
- 分詞|動きや結果を人・物の姿として見せる
- 動名詞と現在分詞の見分け方|同じ-ingでも置かれた席が違う
- 一文に動詞はいくつ置ける?メイン動詞は原則一つ、動きの部品は追加できる
- 準動詞にも「誰がするか」がある|意味上の主語
- 準動詞には時制がないのに、過去の出来事も表せる?
- 準動詞の見分け方|英文を読む4ステップ
- 準動詞でよくある間違い
- まとめ|準動詞は「動き」を文の骨格から切り出す仕組み
準動詞とは?動詞の意味を残した文の部品
準動詞は、英語でnon-finite verbまたはverbalと説明される領域です。finiteには「限定された」という意味があり、定形動詞は主語・時制などによって形が限定されます。準動詞は、そのような限定を直接は受けません。
次の2文を比べてみましょう。
- She reads books every day.
彼女は毎日本を読みます。 - She enjoys reading books.
彼女は本を読むことを楽しんでいます。
1文目のreadsは、主語が三人称単数で、時制が現在だから-sが付きます。過去ならread、主語がTheyならreadです。
一方、2文目で主語や時制を直接背負うのはenjoysです。readingは主語が変わっても過去の話になっても、それ自体がreadやreadsへ変わるわけではありません。
- He enjoys reading books.
- They enjoy reading books.
- She enjoyed reading books.
変化しているのはenjoys / enjoy / enjoyedで、readingは同じです。これがメイン動詞と準動詞を見分ける基本になります。
準動詞のコアイメージ|主語と時制を外し、動きを持ち運ぶ
普通の動詞は、文の中心に置かれると主語と時制を決める必要があります。
She reads books.
「彼女が」「現在」読む。
ところが、英語では一つの動きを、名詞の席へ置いたり、名詞の説明に使ったり、別の動作の目的として足したりできます。そのために動詞をto do、doing、doneなどの形へ変えます。

しゅみすけ式では、次のように捉えます。
- メイン動詞:文の時間軸を確定し、主語がどうする・どういう状態かを述べる
- 準動詞:動きをひとかたまりにし、文の中の別の席へ運ぶ
準動詞にも目的語や修飾語を付けられます。readingだけでなく、reading a difficult book carefullyという大きなかたまりにもできます。動詞らしい中身を保ちながら、かたまり全体が一つの部品として働くのです。
準動詞の3種類|to不定詞・動名詞・分詞
| 種類 | 代表的な形 | 中心感覚 | 主な働き |
|---|---|---|---|
| to不定詞 | to do | これからの動作へ向かう | 名詞・形容詞・副詞 |
| 動名詞 | doing | 動く場面を一つの対象にする | 名詞 |
| 現在分詞 | doing | 動いている途中の姿を見せる | 形容詞・補語など |
| 過去分詞 | done | 動作を受けた結果・完了した状態 | 形容詞・補語など |
動名詞と現在分詞はどちらも-ingですが、文中での働きが違います。形だけで決めず、そのかたまりがどの席に置かれているかを見ます。
to不定詞|これからの動作へ矢印を向ける
to不定詞は、to+動詞の原形で作ります。toという矢印の先へ動作を置き、「これからすること」「何かの用途・目的」などを表します。
- I want to travel.
私は旅行したいです。― 望みの向かう先 - I need something to drink.
何か飲むものが必要です。― somethingの用途 - She went out to buy milk.
彼女は牛乳を買うために外出しました。― 外出の目的
学校文法では名詞的・形容詞的・副詞的用法に分けますが、いずれも「toの先へ動作を置く」という共通構造を持ちます。詳しくはto不定詞とは?3用法を矢印で理解するをご覧ください。
動名詞|動いている場面を対象として置く
動名詞は動詞+-ingで、行為・経験・習慣などを一つの対象として扱います。
- Walking every day is good for you.
毎日歩くことは体によいです。― 主語 - I enjoy cooking.
私は料理をすることを楽しみます。― 目的語 - Her hobby is painting.
彼女の趣味は絵を描くことです。― 補語 - He is good at solving problems.
彼は問題を解くのが得意です。― 前置詞の目的語
-ingは、動きが進行している場面を心の中に広げます。動名詞では、その場面全体を「それ」と指せる対象にして名詞の席へ置きます。詳しくは英語の動名詞とは?で確認できます。
分詞|動きや結果を人・物の姿として見せる
現在分詞doing|動いている途中の姿
- Look at the girl running in the park.
公園で走っている女の子を見てください。 - The movie was exciting.
その映画は人をワクワクさせるものでした。
現在分詞は、名詞がどんな動きの中にあるか、または周囲へどんな感情を起こさせるかを描きます。
過去分詞done|働きかけを受けた結果の姿
- a broken window
割れた窓 - I was excited about the trip.
私は旅行にワクワクしていました。
brokenは「何かによって割られ、その結果の状態にある」、excitedは「外から刺激を受けて感情が起きた」という見方です。現在分詞・過去分詞の全体像は英語の分詞とは?で解説しています。
動名詞と現在分詞の見分け方|同じ-ingでも置かれた席が違う
次の2文では、どちらにもrunningがあります。
- Running is good exercise.
走ることはよい運動です。 - The man running over there is my brother.
向こうで走っている男性は私の兄です。
1文目のRunningは文の主語で、「走ること」という対象です。したがって動名詞です。2文目はthe manの姿を説明しているため現在分詞です。
見分けるときは、日本語訳の「〜すること」「〜している」だけに頼らず、次を確認します。
- かたまり全体をitへ置き換えられる名詞の席か
- 前後の名詞がどんな姿かを説明しているか
- 文の骨格から外しても主語+動詞が残るか
名詞を後ろから説明する仕組みは、分詞の後置修飾ともつながります。
一文に動詞はいくつ置ける?メイン動詞は原則一つ、動きの部品は追加できる
She wants to start learning English.
彼女は英語を学び始めたいと思っています。
この文にはwants、start、learningがあります。しかし役割を分けると整理できます。
- wants:主語Sheと現在時制を背負うメイン動詞
- to start:望みの向かう先を示すto不定詞
- learning English:始める行為の内容を示す動名詞
準動詞の中へ、さらに別の準動詞を入れることもできます。箱が重なるため長く見えますが、まず時制を持つメイン動詞を一本見つければ、残りを部品として順にほどけます。
なお、接続詞や関係詞で節が増えれば、それぞれの節にメイン動詞があります。詳しくは英語の句と節の違いも参考にしてください。
準動詞にも「誰がするか」がある|意味上の主語
準動詞は主語と時制を直接背負いませんが、動作をする人・物が消えるわけではありません。
- I want to leave.
私が立ち去りたい。― leaveするのはI - I want him to leave.
私は彼に立ち去ってほしい。― leaveするのはhim - I don’t mind his opening the window.
私は彼が窓を開けても構いません。― openするのはhis
文全体の主語と準動詞の動作主が同じなら、改めて示さないことが多くあります。異なる場合は、for+人、目的格+to do、所有格+doingなどで示します。詳しくは不定詞・動名詞の意味上の主語をご覧ください。
準動詞には時制がないのに、過去の出来事も表せる?
準動詞自身は文全体の時制を決めません。ただし、メイン動詞との時間関係は表せます。
- He seems to be tired.
彼は疲れているようです。― seemsとほぼ同時 - He seems to have been tired.
彼は疲れていたようです。― seemsより前 - She regrets telling him the truth.
彼女は彼に真実を話したことを後悔しています。 - She regrets having told him the truth.
彼女は彼に真実を話してしまったことを後悔しています。― 前の出来事を明示
to have+過去分詞は完了不定詞、having+過去分詞は完了動名詞です。絶対的な年月日ではなく、メイン動詞を基準に「同時か、それより前か」を示します。
準動詞を見つける目的は、用語を当てることではありません。長い英文の中で「どれが時間軸を決める骨格か」「どれが追加された動きの部品か」を分けることです。メイン動詞を先に確保すると、準動詞がいくつ重なっても迷子になりにくくなります。
英会話スクール「b わたしの英会話」・英語コーチング「be:RIZE」創業者
準動詞の見分け方|英文を読む4ステップ
- 主語を探す:文・節の主役は誰か
- 時制を持つ動詞を探す:現在・過去、三単現などが現れる語を確認する
- to do・doing・doneを囲む:目的語や修飾語も含めてかたまりにする
- 置かれた席を見る:名詞の席か、名詞の説明か、動作へ追加された情報かを判断する
The students studying in the library hope to pass the exam.
図書館で勉強している学生たちは、その試験に合格することを望んでいます。
- 主語:The students
- メイン動詞:hope
- studying in the library:studentsを説明する現在分詞
- to pass the exam:hopeの向かう内容を示すto不定詞
最初から全文を日本語へ訳そうとせず、骨格と部品を分けてから意味をつなぐのがコツです。
準動詞でよくある間違い
すべての動詞らしい語をメイン動詞だと考える
He decided to leave.で時制を持つのはdecidedです。to leaveまで過去形にする必要はありません。
to doとdoingを日本語訳だけで交換する
to doもdoingも「〜すること」と訳せますが、同じではありません。
- remember to lock the door:これから鍵をかけることを忘れない
- remember locking the door:鍵をかけた場面を覚えている
詳しい使い分けは不定詞と動名詞の違いで解説しています。
-ingをすべて進行形だと考える
進行形はbe+-ingが文の述語を作る形です。一方、動名詞や現在分詞は、-ingのかたまりを名詞の席や説明の場所へ置きます。
- She is reading.:現在進行形
- Reading is fun.:動名詞
- the woman reading by the window:現在分詞
まとめ|準動詞は「動き」を文の骨格から切り出す仕組み
- 準動詞は、動詞の意味を残しながら文の部品として働く
- メイン動詞は主語と時制を背負い、準動詞は直接背負わない
- to不定詞は、これからの動作へ矢印を向ける
- 動名詞は、動く場面を一つの対象として名詞の席へ置く
- 現在分詞は動いている姿、過去分詞は働きかけを受けた結果を見せる
- 読むときは、まずメイン動詞を見つけ、準動詞のかたまりと役割を分ける
不定詞・動名詞・分詞を別々の暗記事項として抱えるのではなく、「動きをどんな部品にして、文のどこへ置くか」という共通原理で見てみましょう。複数の動詞が並ぶ長い英文でも、骨格と部品の境界が見えるようになります。
高校英文法全体の中で学ぶ順番を確認したい方は、高校英文法一覧もご覧ください。
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語彙・文法・リスニング・スピーキングの現在地を確認し、どこまで基礎へ戻り、何を次に学ぶかを一緒に整理します。





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