マーケティング・PR担当者に必要な英語力とは?海外本社・キャンペーン・メディア対応から逆算する勉強法

海外チームとグローバルキャンペーンについて英語で話し合うマーケティング・PR担当者

海外本社から英語のキャンペーン資料が届く。内容は読める。でも、日本市場にそのまま当てはめると違和感がある。その理由を会議で説明し、代案を出し、結果まで英語で報告するとなると急に難しくなる。

マーケティング・PR担当者に必要なのは、きれいな英訳だけではありません。誰に、何を、なぜ伝え、どんな行動や理解につなげるかを英語で組み立てる力です。

この記事では、海外本社との会議、グローバルキャンペーンの日本向け調整、成果報告、メディア対応から逆算して、実務で使える英語の勉強法を整理します。

目次

マーケティングとPRで、英語を使う目的は少し違う

マーケティングは、顧客の認知・検討・購入・継続利用などの行動を動かす仕事です。一方、PRは、メディアや社会、取引先などとの関係を通じて、企業や商品の理解・評判を形成する仕事です。

  • マーケティング:顧客、需要、キャンペーン、獲得、転換、継続、売上への貢献
  • PR:ニュース性、社会的な理解、メディアとの関係、評判、問題発生時の説明

両者に共通するのは、海外で作られたメッセージを単に訳すのではなく、日本の顧客や社会がどう受け取るかを英語で説明する役割です。投資家の判断材料を伝えるIR担当者の英語とも近い部分がありますが、動かしたい相手とゴールが異なります。

マーケティング・PR担当者に必要な英語力の目安

TOEICの点数だけで一律には決まりません。資料を読む業務が中心なら読解力が先に役立ちますが、海外本社との定例会議やメディア対応を任されるなら、聞く・話す力がボトルネックになりやすいからです。

実務では、次のことができる状態を目標にすると分かりやすいでしょう。

  • 海外本社の説明を聞き、目的・対象者・制約条件を確認できる
  • 日本市場の事情や消費者の反応を、根拠とともに説明できる
  • 直訳では伝わらない理由を示し、代案を提案できる
  • 施策の結果を数字と解釈に分けて報告できる
  • メディアからの質問に、確認済みの範囲で簡潔に答えられる

英語が必要になる8つの業務場面

1.海外本社からキャンペーンの説明を受ける

最初に確認したいのは表現ではなく、目的です。認知を広げたいのか、見込み客を増やしたいのか、既存顧客の利用を促したいのかで、日本側の施策は変わります。

2.日本市場向けにローカライズする

言葉だけでなく、文化、商習慣、季節性、競合環境、広告規制、ブランドの受け止められ方まで考えます。「日本では響かない」と言うだけでなく、理由と代案を英語で示す必要があります。

3.海外チームや代理店とプロジェクトを進める

進捗、担当、期限、未決事項を短く共有します。会議で話せても、合意事項が曖昧なら実務は進みません。決定事項を言い直し、次の行動を確認する力が重要です。

4.施策の成果を英語で報告する

数字を読み上げるだけでは不十分です。何が起きたか、なぜそうなったと考えるか、次に何を変えるかを分けて説明します。

5.プレスリリースや広報資料を調整する

本社の承認済みメッセージを守りながら、日本のメディアにとってのニュース性や分かりやすさを加えます。意味を変えず、読み手に届く構成へ直す力が求められます。

6.海外メディアの取材に対応する

質問の意図を聞き取り、公開できる事実と見解を切り分けます。答えが未確認なら、その場で推測せず、確認して戻ると伝えることも立派な英語力です。

7.海外の制作会社・PR会社を管理する

成果物へのフィードバックでは、好みではなく目的と対象者に結びつけて伝えます。「もっと日本らしく」ではなく、どの部分が誰にどう誤解されるのかを具体化します。

8.問題発生時に状況を共有する

炎上、誤掲載、商品トラブルなどでは、速さと正確さの両方が必要です。確認済みの事実、未確認事項、影響範囲、次の更新時刻を分けて報告します。

マーケティング・PR担当者が海外本社との会議・日本市場向け調整・成果報告・メディア対応で英語を使う場面

英語で伝える内容は「5つの箱」に整理する

会議、提案、成果報告、メディア対応のいずれでも、話す前に次の5項目を整理すると英語が崩れにくくなります。

  1. Purpose:今回の目的は何か
  2. Audience:誰に届けるのか
  3. Message:何を一つ持ち帰ってほしいか
  4. Evidence:その判断を支える事実・数字・顧客の声は何か
  5. Next action:相手に何を判断・実行してほしいか

たとえば「このコピーは日本では使いにくいです」だけでは、単なる反対に聞こえます。対象者の受け止め方、根拠、代案、承認してほしい事項まで並べれば、ビジネスの提案になります。

しゅみすけ

マーケティング・PRの英語は、英訳の上手さだけではありません。海外本社の言葉をそのまま日本へ持ってくるのではなく、日本の顧客やメディアがどう受け取るかを説明し、必要なら別案を提案する。ここに実務の英語力が出ます。

会議と調整で使える英語フレーズ

目的と対象者を確認する

  • What is the primary objective of this campaign?
    このキャンペーンの主な目的は何ですか。
  • Who is the priority audience in Japan?
    日本で最優先する対象者は誰ですか。
  • How will success be measured?
    成果はどのように測定しますか。

日本市場の事情を説明する

  • This message may be interpreted differently by Japanese consumers.
    このメッセージは日本の消費者には異なる受け取られ方をする可能性があります。
  • Based on customer feedback, clarity is more important than novelty in this case.
    顧客の反応を見ると、今回は新しさより分かりやすさが重要です。
  • We recommend adapting the example while keeping the global message consistent.
    グローバルのメッセージは維持しつつ、例を調整することを提案します。

結果と次の一手を報告する

  • Traffic increased, but the conversion rate remained flat.
    流入は増えましたが、転換率は横ばいでした。
  • Our current hypothesis is that the landing page does not address the main concern.
    現時点では、ランディングページが主な懸念に答えていないと考えています。
  • For the next phase, we propose testing two localized messages.
    次の段階では、日本向けに調整した2つのメッセージを試すことを提案します。

メディア対応で確認時間を作る

  • Let me confirm the facts before I answer.
    回答する前に事実を確認させてください。
  • What I can share at this stage is the following.
    現段階でお伝えできるのは次の内容です。
  • We will provide an update by 3 p.m. Japan time.
    日本時間の午後3時までに続報をお伝えします。

マーケティング・PR担当者が英語で苦戦しやすい理由

抽象語が多く、分かったつもりになりやすい

brand, engagement, awareness, value などは便利ですが、人によって意味がずれます。抽象語を使ったら「誰の、どんな行動・状態か」まで具体化する癖が必要です。

資料は作れても、会議の割り込みに対応できない

準備したプレゼンは話せても、途中の質問や反対意見で止まる人は少なくありません。原稿暗記より、要点を別の言葉で言い直す練習が効きます。外資系で会議そのものに苦戦している方は、外資系で働いているのに英語が話せない人向けの記事も参考にしてください。

数字とストーリーを同時に扱う必要がある

結果報告では、KPIだけでも感想だけでも足りません。「事実→解釈→次の仮説」の順で説明できるようにします。

本社の統一方針と日本市場の現実に挟まれる

英語力だけでなく、合意形成の技術が必要です。否定から入らず、共通目的を確認してから日本側の根拠と代案を出すと、対立ではなく調整になります。

実務から逆算する英語の勉強法

ステップ1:自分の業務場面を3つに絞る

「マーケティング英語」を広く勉強するより、来月発生する業務を選びます。たとえば本社定例、キャンペーン提案、月次成果報告です。

ステップ2:頻出資料から表現を集める

過去の会議資料、レポート、承認済みリリースから、自社で実際に使う表現を抜き出します。単語だけでなく、判断や提案に使える一文で覚えます。

ステップ3:「5つの箱」で1分説明を作る

目的、対象者、メッセージ、根拠、次の行動を各1〜2文でまとめます。原稿を丸暗記せず、キーワードだけを見て話し直します。

ステップ4:反対質問を受ける練習をする

「なぜ日本だけ変更が必要なのか」「数字が弱いのに継続する理由は何か」など、厳しい質問を先に作ります。聞き返し、結論、根拠、次の行動まで即答する練習をします。

ステップ5:実務後に録音・メモで修正する

言えなかった場面を一般論で終わらせず、次回使う一文へ変換します。この小さな改善の蓄積が、教材だけの学習より早く実務に効きます。

1日60分なら、こう配分する

  • 15分:本社資料や業界記事を音読し、頻出表現を確認
  • 15分:会議音声でリスニングと要約
  • 20分:5つの箱を使った1分説明と質疑応答
  • 10分:録音を聞き、言い直したい一文を修正

忙しい日は30分でも構いません。大切なのは、英語教材の章ではなく、次の実務に近い場面を毎日回すことです。

独学・英会話・英語コーチングの使い分け

  • 独学:読む・書く中心で、課題と教材が明確な人
  • 英会話:まず発話量を増やし、接触への抵抗を減らしたい人
  • 英語コーチング:会議、提案、成果報告など期限のある実務課題に向け、学習設計と改善をまとめて進めたい人

特に海外側との折衝や提案が多い方は、海外営業に必要な英語力の記事にも応用できる練習があります。

マーケティング・PRの英語学習を実務仕様に変える

be:RIZEでは、現在の英語力だけでなく、担当業務、会議の頻度、相手、期限、過去に困った場面を確認し、必要な学習へ絞ります。

一般的な英会話ではなく、海外本社への提案、施策報告、質疑応答など、実際の仕事で再現できる状態を目指します。

まずは無料カウンセリングで、仕事で英語を使う場面と課題を整理する

よくある質問

マーケティング担当者はTOEIC何点必要ですか?

企業の基準はさまざまです。読む・書く中心ならスコアが役立ちますが、海外会議では聞き取り、要点整理、提案、質疑応答を別に練習する必要があります。点数より先に担当業務を分解しましょう。

専門用語を先に覚えるべきですか?

頻出語は必要ですが、用語集だけでは会議に対応できません。自社の資料から「数字を報告する文」「理由を説明する文」「代案を出す文」を優先すると実務に直結します。

プレスリリースは翻訳ツールで十分ですか?

下訳には便利ですが、事実関係、固有名詞、承認済み表現、法規制、ニュース性の確認は担当者が行う必要があります。公開前には社内ルールに沿って法務・関係部署の確認を受けてください。

英語会議で急に意見を求められると話せません

まず結論を一文で述べ、理由を一つ足し、必要なら後で詳細を共有すると伝えます。毎回完璧な説明を目指すより、短い型を自動化する方が実務では安定します。

まとめ

マーケティング・PR担当者の英語は、情報を訳すためではなく、顧客の行動や社会の理解を動かすために使います。

目的→対象者→メッセージ→根拠→次の行動の5項目に整理し、海外本社との会議、日本向け調整、成果報告、メディア対応を場面別に練習しましょう。

なお、未公開キャンペーン、商品情報、顧客データ、問題発生時の情報を学習素材に使う場合は、必ず会社の情報管理・個人情報・広報承認のルールに従ってください。

職種にかかわらず、仕事で英語が必要になったときの全体的な学習順は、仕事で英語が必要になった社会人は何から始める?で整理しています。

キャンペーン提案、日本市場向けの調整、KPI報告、制作会社へのフィードバック、メディア対応でそのまま使える表現は、姉妹サイトb-cafeのマーケティング・PRの英語フレーズで会話例とともに紹介しています。

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