しゅみすけ(大山俊輔)
understandも、日本語訳をいくつも暗記するより、“中心にあるひとつの感覚”をつかむほうが会話で応用できます。僕自身、YouTubeでも一貫して、基本動詞をコアイメージから捉える方法を発信しています。
英会話スクール「b わたしの英会話」・英語コーチング「be:RIZE」創業者
目次
- understandのコアイメージは「意味・仕組み・つながりが立体化する」
- knowとunderstandは何が違う?
- I understand.は「説明の筋道がつながった」
- I understand why.は「理由の線がつながる」
- I understand how it works.は「仕組みが見える」
- I understand you.は「あなたの事情・気持ちが分かる」
- Do you understand?が強く聞こえることがある理由
- I don’t understand.は「つながりがまだ見えない」
- understandとsee・getの「分かる」の違い
- understandは基本的に進行形にしない
- understandを会話で使う3ステップ
- 動画でunderstandにつながる基本動詞の感覚を確認する
- まとめ:understandは「点がつながり、全体像が立ち上がる」
understandのコアイメージは「意味・仕組み・つながりが立体化する」
まずは、understandを日本語訳から離して考えてみます。 目の前に、WHAT・WHY・HOWという3枚のカードがあるとしましょう。- WHAT:何が起きているのか
- WHY:なぜそうなるのか
- HOW:どういう仕組みなのか

knowとunderstandは何が違う?
日本語ではknowもunderstandも「分かる」と訳されます。ここが最初の混乱ポイントです。 違いをシンプルに整理すると、次のようになります。- know:情報・事実を自分の中に持っている
- understand:意味・理由・仕組み・つながりまで見えている
I understand.は「説明の筋道がつながった」
誰かの説明を聞いたあとに言うI understand.は、日本語では「分かりました」と訳されます。 A: You need to click here first, and then enter your password. まずここをクリックして、それからパスワードを入力する必要があります。 B: I understand. 分かりました。 Bの頭の中では、手順の順番と意味がつながりました。単に「クリック」「パスワード」という語を知ったのではありません。何を、どの順番で、なぜするのかが一つの流れになっています。 そのためI understand.には、「説明の内容を追えている」「意味まで受け取った」という感覚があります。 ただし、会話では少し改まって聞こえることもあります。日常の軽いやり取りで「なるほど」「了解」と言うだけなら、I see.やGot it.のほうが自然な場面も多いです。I understand why.は「理由の線がつながる」
understandは、whyと非常に相性のよい動詞です。 Now I understand why she was upset. 今、彼女がなぜ腹を立てていたのか分かりました。 最初は「彼女が腹を立てていた」という事実だけが見えていました。しかし、新しい事情を聞いたことで原因と結果がつながります。 事情・原因 → 彼女が腹を立てた この矢印が見えた瞬間がunderstandです。 I understand why you made that decision. あなたがなぜその決断をしたのか分かります。 ここでも、decisionという結果だけを知っているのではありません。相手の事情や判断の流れまで追い、その決断に至った理由が自分の中でつながっています。I understand how it works.は「仕組みが見える」
howが続くと、understandは「どう動くか」「どのような仕組みか」が見えていることを表します。 I understand how it works. それがどう機能するのか分かります。 Do you understand how this system works? この仕組みがどう動くか理解していますか。 部品の名前を知っているだけならknowです。部品同士がどう作用し、結果がどう生まれるかまで見えているならunderstandです。 英語の文法も同じです。「現在完了はhave+過去分詞」と覚えているのはknow。その形がなぜ「過去と現在をつなぐ」のかまでイメージできるのがunderstandです。 ルールを暗記しただけの状態から、英語の仕組みが見える状態へ進む。しゅみすけの英語講座が大切にしているのも、まさにこの変化です。I understand you.は「あなたの事情・気持ちが分かる」
understandの目的語は、説明や仕組みだけではありません。人を置くこともできます。 I understand you. あなたのことは分かります。 ここで相手の名前やプロフィールを知っているだけなら、I know you.です。 I understand you.では、相手が何を感じ、なぜそう言い、どうしてその判断をしたのか。その内側のつながりまで見ようとしています。 I understand how you feel. あなたの気持ちは分かります。 I understand what you’re going through. あなたが今どんな状況にいるのか分かります。 人に対するunderstandは、情報処理だけでなく、共感にも広がります。相手の言葉の裏にある事情や感情が、自分の中でも筋の通ったものとして見えているからです。 ただし、つらい経験をしている相手にI understand.だけを強く言うと、「あなたのことは全部分かっている」と聞こえる場合があります。実際には完全に同じ経験をしていないなら、次のように少し余白を残せます。 I think I understand how you feel. お気持ちは分かると思います。 I can understand why you feel that way. そう感じる理由は分かります。Do you understand?が強く聞こえることがある理由
学校では「分かりましたか?」の定番としてDo you understand?を習います。 文法的には正しい表現です。しかし、言い方や場面によっては「分かったな?」「理解しているのか?」という確認や圧のように聞こえることがあります。 understandは、相手の頭の中に全体像ができたかどうかを直接たずねる動詞です。そのため、先生・上司・親などが使うと、理解度を試されている感覚が生まれやすいのです。 会話でやわらかく確認したいなら、次のような言い方があります。- Does that make sense? 今の説明で筋は通っていますか。
- Is that clear? ここまで大丈夫ですか。
- Do you see what I mean? 私の言いたいこと、伝わりますか。
I don’t understand.は「つながりがまだ見えない」
I don’t understand.を「理解できない」とだけ訳すと、少し硬く感じるかもしれません。 コアイメージで考えると、必要な点がまだつながらず、全体像が立ち上がっていない状態です。 I don’t understand this question. この質問の意味が分かりません。 I don’t understand what you mean. あなたの言いたいことが分かりません。 I don’t understand why this keeps happening. なぜこれが何度も起きるのか分かりません。 分からないときは、何が欠けているのかを続けると会話が前に進みます。 I understand what happened, but I don’t understand why. 何が起きたかは分かります。でも、なぜなのかが分かりません。 WHATはつながったが、WHYがまだ空白。このように考えると、自分が質問すべきポイントも見えます。understandとsee・getの「分かる」の違い
英会話ではI see.やI get it.も「分かりました」と訳されます。違いは、理解へ入る角度です。- I see.:説明や状況が視界に入って「なるほど」と見えた
- I get it.:意味・要点をつかんだ、こちら側へ取り込んだ
- I understand.:意味・理由・仕組みのつながりまで見えている
understandは基本的に進行形にしない
understandは、頭の中でつながりが見えている「状態」を表すため、基本的には進行形にしません。 I understand the problem. その問題を理解しています。 × I’m understanding the problem. 「だんだん分かってきた」と変化を表したいなら、begin、start、come toなどを使います。 I’m beginning to understand. だんだん分かってきました。 I’m starting to understand how it works. 仕組みが少しずつ分かってきました。 I came to understand his point of view. 彼の考え方が分かるようになりました。 understandそのものは状態。その状態へ向かう変化を、別の動詞で表しているわけです。understandを会話で使う3ステップ
日本語の「分かる」から英訳する前に、次の3つを確認してみてください。- 事実を持っているだけか? それならknow
- 意味・理由・仕組みの線が見えているか? それならunderstand
- どの線が見えているのか? what、why、how、人の気持ちなどを続ける
動画でunderstandにつながる基本動詞の感覚を確認する
しゅみすけの「基本動詞Top55」では、日本語訳を一対一で覚えるのではなく、英語の動詞がどんな状態や動きを切り取っているかをイラストと例文で解説しています。まとめ:understandは「点がつながり、全体像が立ち上がる」
understandのコアイメージは、「意味・理由・仕組み・つながりが自分の中で立体化し、全体像が見える」です。- I understand.:説明の意味や筋道がつながった
- I understand why.:原因と結果の線が見えた
- I understand how it works.:仕組みが見えた
- I understand you.:相手の事情・気持ちまで見えている
- I don’t understand.:点がまだつながらず、全体像が見えない
- know:情報を持っている
- understand:情報同士の意味あるつながりまで見えている
knowとunderstandを同じ例文で見比べたい方は、knowとunderstandの違いで、情報と理解の境目を図解しています。
think・know・understandを一つの頭の流れで整理したい方は、think・know・understandまとめもあわせてどうぞ。



