TOEICの英文法は、特別な文法体系ではありません。中学・高校で学ぶ英文法を、短い時間で正確に見分ける力が問われます。まず文の骨格を取り、次に空所へ必要な品詞や形を判断し、最後に文脈へつなげる。この順番で整理すると、Part 5・6で何を復習すべきかが見えます。
この記事では、TOEIC Listening & Reading Testの文法分野を一覧化し、初心者から大学受験レベルまでの学習順を示します。全体から戻りたい場合は、先に英文法大全や英文法クイズで現在地を確認しても構いません。
しゅみすけ(大山俊輔)
私はTOEICの受験者として点数攻略を語る立場ではありません。ここでは成人英語教育と言語学習の観点から、問題を解くための文法知識を、使える英語の土台にもなる順番で整理します。
TOEIC Part 5・6の形式
公式情報では、TOEIC L&Rのリーディングセクションは75分・100問です。Part 5は短文穴埋め30問、Part 6は長文穴埋め16問で、いずれも4つの選択肢から最も適切な答えを選びます。Part 6では単語・句だけでなく、一文を補う問題も含まれます。最新の形式はIIBC公式「テストの形式と構成」で確認できます。
| Part | 形式 | 問題数 | 文法で必要な判断 |
|---|---|---|---|
| Part 5 | 短文穴埋め | 30問 | 品詞・動詞の形・語法・接続 |
| Part 6 | 長文穴埋め | 16問 | 文法に加えて前後関係・文章の流れ |
なお、IIBCが文法項目ごとの出題リストを公式に示しているわけではありません。以下は出題形式と一般的な問題分析を踏まえ、学習上必要になる文法を体系化したものです。
TOEIC英文法で問われる項目一覧
| 分野 | 判断すること | 代表例 | 優先度 |
|---|---|---|---|
| 品詞 | 空所に名詞・形容詞・副詞・動詞のどれが必要か | success / successful / successfully | 最優先 |
| 文の骨格・文型 | 主語・動詞・目的語・補語の不足 | SVO・SVC・SVOC | 最優先 |
| 動詞・時制 | 時制、主語との一致、能動・受動 | has completed / was completed | 最優先 |
| 準動詞 | to不定詞・動名詞・分詞の形と役割 | to submit / submitting / submitted | 高 |
| 前置詞・接続詞 | 後ろが名詞か、主語+動詞か | during / while、because of / because | 高 |
| 代名詞・限定詞 | 何を指し、どの形が置けるか | it / its / itself、another / other | 高 |
| 関係詞 | 後ろの文の不足と先行詞 | who / which / that / whose | 高 |
| 比較 | 比較対象と形 | higher / the highest / as … as | 中 |
| 仮定法・条件 | 事実との距離、条件と時制 | if / unless / would | 中 |
| 語法・語彙 | 特定の語が取る形や組み合わせ | provide A with B | 継続 |
最優先1|品詞を「語尾」だけでなく置き場所で判断する
Part 5で最初に安定させたいのが品詞です。ただし、-tionなら名詞、-lyなら副詞という語尾暗記だけでは足りません。先に「この場所で何を説明する語が必要か」を見ます。
- 冠詞・所有格の後ろ:名詞が中心
- 名詞の前:形容詞が中心
- 動詞・形容詞・文全体を説明:副詞が中心
- 主語の後ろで述語を作る:動詞
詳しい考え方は、英語の品詞を「置き場所」で理解する記事と、接尾辞から品詞を見分ける一覧で確認できます。
最優先2|主語と動詞を見つけて文の骨格を取る
選択肢を見る前に、文の中の主語と動詞を探します。動詞がすでにあるなら空所は別の役割、動詞がなければ動詞候補を疑う。この骨格確認だけで、選択肢を大きく絞れます。
英語の5文型は、文型名を暗記するためではなく「動詞の後ろに何が必要か」を判断する設計図です。骨格が不安なら、中学英文法一覧から戻るほうが、問題集を繰り返すより早いことがあります。

最優先3|動詞の形をまとめて判断する
動詞問題では、時制だけを見るのではなく、次の順番で確認します。
- 文の述語動詞が必要か
- 主語は単数か複数か
- 時を示す語はあるか
- 主語は「する側」か「される側」か
- 完了・進行の意味が必要か
時制の全体像は現在・過去・未来を時間軸で捉える記事、受動態や完了形を含む高校範囲は高校英文法一覧へ進んでください。
重要4|to不定詞・動名詞・分詞を役割で分ける
to do・doing・doneは、見た目が似ていても文中の役割が異なります。目的語になるのか、名詞を説明するのか、受け身の意味を持つのかを見ます。動詞との組み合わせは不定詞と動名詞の使い分け、分詞を含む体系は高2英文法一覧で復習できます。
重要5|前置詞と接続詞は「後ろの形」で見分ける
意味が近い語ほど、後ろに何を置くかが重要です。
| 後ろの形 | 代表語 |
|---|---|
| 名詞・名詞句 | during、because of、despite |
| 主語+動詞 | while、because、although |
前置詞一覧と接続詞一覧を別々に覚えるだけでなく、文と文をどうつなぐかを比べてください。
重要6|代名詞・関係詞は「何を指すか」と不足を確認する
代名詞は前にある名詞を受ける語です。関係詞は名詞を後ろの節で説明します。関係詞では、後ろが主語や目的語の欠けた文か、それとも完成した文かを見ると選びやすくなります。詳しくは関係代名詞の基本と英文法大全の「句・節・関係詞」へ戻りましょう。
しゅみすけ(大山俊輔)
選択肢を見て悩み続けるより、主語と動詞→空所の役割→前後の意味の順に見るほうが再現できます。正解語を覚えるのではなく、判断の順番を固定してください。
Part 6では文法だけでなく文章の流れを見る
Part 6は、空所を含む一文だけで決められない問題があります。代名詞が何を指すか、接続語が追加・対比・理由・結果のどれを示すか、時制が前後の出来事と合うかを確認します。一文挿入では、その文の中の this・these・such・however などが前後とつながるかを見ることも大切です。
つまりPart 6では、文法知識を「文章の中で使う」段階へ進みます。句と節の違いや、高3英文法一覧の複文・省略・強調も、長い文の構造を取る助けになります。
TOEIC英文法を学ぶおすすめの順番
大学受験レベルの文法をすべて先に終える必要はありません。まずPart 5で頻繁に使う土台を固め、誤答の原因に応じて大学受験英文法一覧の関係詞・仮定法・倒置などへ戻るほうが効率的です。
問題演習での復習方法
- 問題を解き、正解・不正解を記録する
- 誤答を「品詞・骨格・動詞・接続・語法」に分類する
- 該当する文法親記事へ戻る
- 同じ構造で短い例文を一つ作る
- 数日後に同じ判断手順で解き直す
正解番号を覚えても、別の文では使えません。「なぜその品詞か」「なぜその時制か」を一文で説明できる状態を目標にしてください。まず一般英文法の現在地を測るなら、無料の英文法クイズ15問も利用できます。
TOEICの文法知識を英会話にもつなげる
TOEICで学ぶ品詞・時制・受動態・接続詞は、英会話でも使う土台です。ただし、問題を見て選ぶ練習と、会話中に自分で文を作る練習は同じではありません。知識は、短い音読・置き換え・自分の仕事や生活を話す練習へ移しましょう。
まとめ
TOEIC英文法は、品詞・文の骨格・動詞の形を最優先にし、準動詞、前置詞と接続詞、代名詞、関係詞へ広げます。Part 5では空所の役割を素早く判断し、Part 6では前後の文脈を加えます。
間違いが多いときは、問題数を増やす前に中学・高校英文法へ戻ってください。TOEIC用の別の文法があるのではなく、英文法の土台を試験形式で取り出す速さと正確さを育てることが中心です。
学んだ内容を短文穴埋め形式で確認したい方は、TOEIC Part 5英文法クイズ20問に挑戦できます。





