haveは「持つ」、getは「得る」、takeは「取る」。こうして日本語訳を覚えたのに、会話になると意味が分からない。あるいは、自分ではうまく使えない。
これ、英語力が足りないからではありません。むしろ、基本動詞の覚え方が実際の会話と合っていない可能性があります。
こんにちは、しゅみすけです。僕も受験勉強では、単語帳を真っ赤にしながら2万語以上を覚えました。ところがアメリカの大学院へ留学し、その後に外資系企業4社で働いて分かったのは、会話を動かしているのは難しい単語ばかりではないということでした。
ネイティブは、have・get・make・goのような身近な動詞を、場面に応じて何度も使い回します。せやから、基本動詞は日本語訳を増やすより、一つのコアイメージから意味を広げ、自分の場面で使う練習が大切なんです。
この記事では、基本動詞を「知っている単語」から「会話で使える単語」へ変える方法を、5つのステップで解説します。基本動詞の意味や記事一覧を先に確認したい方は、英語の基本動詞とは?コアイメージ学習法と解説記事一覧からどうぞ。
基本動詞を日本語訳だけで覚えると会話で止まる理由
英和辞典でhaveを引くと、「持っている」「飼っている」「食べる」「経験する」「病気にかかる」など、多くの日本語訳が並びます。
この訳を一つずつ別の意味として覚えると、have a car、have lunch、have a good timeが別々の知識になります。リーディングなら考える時間がありますが、会話では音が次々に流れてきます。「今回はどの訳や?」と日本語を検索している間に、話は先へ進んでしまいます。
一方、英語の中では、これらは完全にバラバラではありません。haveには、人・モノ・経験・状態などが自分の領域にあるという共通感覚があります。その対象が車なら「持っている」、食事なら「食べる」、時間なら「過ごす」と日本語訳が変わっているだけです。
日本語訳は、英文を日本語として理解するための便利な結果です。でも、英語を瞬時に聞き、自分で組み立てるための出発点とは限りません。詳しくはhaveのコアイメージでも図解しています。
基本動詞の覚え方|会話につなげる5ステップ
ステップ1.最初に覚えた日本語訳をいったん外す
まず、「get=得る」「go=行く」のような1対1の結びつきを、いったん緩めます。忘れる必要はありません。ただし、その訳だけが正解だと思わないことです。
たとえば、go badは「悪く行く」ではなく「悪くなる」、The pain is gone.は「痛みが行った」ではなく「痛みがなくなった」です。訳だけでは別物に見えますが、goの今の場所・状態から離れて進む感覚ならつながります。
知らない用法に出会ったとき、すぐ日本語訳を追加するのではなく、「この動詞は、ここで何を捉えているんやろ?」と一度立ち止まってみてください。
ステップ2.一つのコアイメージと矢印を持つ
コアイメージとは、その動詞のさまざまな使い方に通じる中心の感覚です。きれいな文章で暗記するより、簡単な絵や矢印にしてください。
- get:変化して、新しい状態・場所・所有・理解へ到達する
- take:自分の意思で選び、自分側へ取り込む
- go:今いる場所・状態から離れて進む
- come:会話の中心・相手・ゴールへ近づく
- put:対象を、ある位置・状態へ置く
コアイメージは、新しい日本語訳として丸暗記するものではありません。誰から誰へ向かうのか、どこからどこへ移るのか、状態がどう変わるのか。ぼんやりした動画のように頭へ置くのがコツです。
ステップ3.同じイメージを複数の場面へ広げる
コアを確認したら、意味の違う例文を3つほど並べます。ここではgetを使ってみましょう。
- I got a new job.(新しい仕事を得た)
- I’m getting tired.(疲れてきた)
- I got home at seven.(7時に家へ着いた)
日本語訳は「得た」「なった」「着いた」と変わります。それでも、どの文にもそれまでとは違う状態・所有・場所へ到達したという変化があります。
このとき、「全部同じ日本語に訳そう」と頑張らなくて大丈夫です。同じ感覚が、モノ、状態、場所へ応用されていることを確認できれば十分です。
また、基本動詞は前置詞・副詞と組み合わさると、さらに表現が広がります。get inなら中へ到達し、get backなら元の場所・状態へ戻る。get overなら障害を越えた状態へ到達する。句動詞も丸ごとの訳ではなく、動詞の動き+後ろの単語の方向として見ると理解しやすくなります。
ステップ4.例文を「自分の一文」に変える
例文を理解しただけでは、まだ他人の英語です。会話で取り出せるようにするには、自分の生活や仕事へ置き換えます。
たとえばI got home at seven.を覚えるなら、実際の帰宅時間に変えてください。
- I got home at nine last night.
- I usually get home before eight.
- I’ll get home late today.
get tiredなら、I get tired after long meetings.のように自分が疲れる場面へ変えます。英文をゼロから発明する必要はありません。例文の人・時間・場所・目的語を少し入れ替えるだけでOKです。
一つの動詞につき、まずは今日か明日に使えそうな3文を作りましょう。大量の例文を眺めるより、自分と結びついた少数の文のほうが、会話では取り出しやすくなります。
ステップ5.声に出し、実際の会話で一度使う
最後は、頭の中の知識を口から出します。まずは作った3文を、場面を思い浮かべながら声に出してください。英文を見ずに言えるか、自分へ質問して答える形にできるかも試します。
- What time did you get home?
- I got home at nine.
- Were you tired?
- Yes, I was getting tired.
そしてオンライン英会話、英会話スクール、独り言、仕事の会話などで一度使います。完璧な発音や文法を待たなくて大丈夫です。実際の場面で使った瞬間、単語は「分かる知識」から「使った経験」へ変わります。
基本動詞は何語ずつ覚えればいい?
最初から50語、55語を一気に仕上げる必要はありません。おすすめは、1週間に2〜3語です。
- 1日目:コアイメージと代表例文を確認する
- 2日目:意味の違う例文を3つ並べる
- 3日目:前置詞・副詞との組み合わせを見る
- 4日目:自分の一文を3つ作る
- 5〜7日目:声に出し、どこかで使う
優先順位に迷ったら、まずhave・take・get、次にmake・do、その次にgo・comeがおすすめです。所有・変化・選択・動作・結果・移動という、会話の骨格になる感覚をまとめて練習できます。
よくある失敗1|コアイメージの説明だけを暗記する
「get=新しい状態へ到達する」と言えたとしても、例文を聞いた瞬間に場面が浮かばなければ、会話ではまだ使えません。
コアイメージは、試験の定義ではなく、複数の使い方をつなぐ補助線です。説明を暗唱するより、例文ごとに人物・モノ・変化の矢印を描いてみてください。
よくある失敗2|例文をたくさん集めて満足する
ノートやアプリへ例文を大量に保存しても、使う練習がなければ受け身の知識が増えるだけです。大切なのは収集数ではなく、少数の文を自分の場面で再利用できるかどうか。
英単語学習全般で同じ悩みがある方は、英単語を覚えても話せない理由と4つの覚え方も参考にしてください。
よくある失敗3|難しい単語へ進むことを優先する
資格試験や専門文書では難しい語彙も必要です。ただ、日常会話や仕事のやり取りで言葉が止まるなら、知っている基本動詞を深く使えるようにするほうが先に効くことがあります。
難しい単語を知らなくても、make、get、put、giveなどを組み合わせて言い換えられます。この「今ある語彙でまず伝える力」が、会話を続ける土台になります。
動画で基本動詞のコアイメージをまとめて確認する
しゅみすけのYouTubeでは、海外ドラマにも頻出する基本動詞Top55を、イラストと例文でまとめて解説しています。
一度で全部覚えようとせず、今週練習する2〜3語を選び、その部分を見直してください。動画でイメージをつかむ、個別記事で使い方を確認する、自分の文を作る、という順番が使いやすいです。
「英会話の9割がわかるようになる基本動詞Top55」をYouTubeで見る
まとめ|一つの基本動詞を「自分が使える3文」に変えよう
基本動詞は、日本語訳をたくさん暗記するより、一つのコアイメージを複数の場面へ広げるほうが、会話につながりやすくなります。
- 最初の日本語訳をいったん外す
- コアイメージと矢印を持つ
- 意味の違う複数の場面へ広げる
- 例文を自分の一文へ変える
- 声に出し、実際の会話で使う
今日から始めるなら、haveかgetを一つ選びましょう。コアを確認し、自分が本当に使いそうな3文を作って、声に出す。まずはそれで十分です。
知っている英語を、会話で使える英語へ変えたい方へ
学ぶ単語や教材を増やしても会話につながらないときは、知識量ではなく、練習の順番を見直すタイミングかもしれません。be:RIZEでは、現在地と目的に合わせて、インプットから実践へつなぐ学習方法をご提案しています。



