get=「得る」。
学校では、まずそう習います。もちろん、I got a present. のような英文なら「プレゼントを得た・もらった」で理解できます。
でも、次のgetはどうでしょうか。
- I got tired.(疲れた)
- It’s getting dark.(暗くなってきた)
- I got home.(家に着いた)
- I got married.(結婚した)
- I get it.(分かります)
「疲労を得た」「暗さを得た」「家を得た」「結婚を得た」「それを得た」……。無理やり訳せなくはありませんが、こんな処理を会話中にしていたら、そら間に合いません(笑)。
こんにちは。しゅみすけ(大山俊輔)です。今回は、ネイティブの日常会話で驚くほどよく登場する基本動詞getのコアイメージを解説します。
get=変化して、新しい状態・場所・所有・理解へ到達する
短く言えば、getは「変化+到達」です。この感覚を中心に置くと、「得る・買う・もらう・着く・なる・分かる」とバラバラに見える意味が一本につながります。
getのコアイメージは「変化して到達する」
getを理解するときは、静止画ではなく矢印を思い浮かべてください。
スタート地点では、まだその物を持っていない、まだ目的地に着いていない、まだ疲れていない、まだ話を理解していない。そこから状況が動き、最後に新しい地点へ到達します。その移動や変化をgetが表します。
| 英文 | スタート | 到達点 |
|---|---|---|
| I got a present. | 持っていない | 手元に入った |
| I got tired. | 疲れていない | 疲れた状態になった |
| I got home. | 家の外にいる | 家へ到着した |
| I get it. | 理解していない | 意味が頭に届いた |
日本語訳は違っても、英語側で起きていることは同じです。何らかの変化があり、ある地点へ届いています。
getの代表的な4つの広がり
1.get+名詞:物や機会が自分のところへ届く
getの「得る・買う・もらう」という意味は、何もなかった状態から、物や機会が自分の手元へ届く変化です。
- I got a new job.(新しい仕事が決まりました)
- Where did you get that bag?(そのバッグ、どこで買ったのですか)
- I got a message from her.(彼女からメッセージが来ました)
- Did you get this for free?(これを無料でもらったのですか)
buy、receive、obtainなど、日本語訳に合わせて別の英単語を探すこともできます。しかし会話では、物や情報がこちらへ届いたという大きな感覚をget一語で表せるため、非常に使い勝手が良いのです。
2.get+形容詞:新しい状態になる
getの本領が最も分かりやすいのが、後ろに形容詞が来る形です。be動詞が「その状態にある」のに対し、getは「その状態へ変わる」ことを表します。
- I got tired.(疲れました)
- Don’t get angry.(怒らないでください)
- I’m getting hungry.(お腹が空いてきました)
- It’s getting cold.(寒くなってきました)
- Your English is getting better.(英語が上達してきています)
I am tired. は、今「疲れた状態にある」という静止画。I got tired. は、元気だった状態から疲れた状態へ変わった動画です。
get married、get ready、get dressed、get lostも同じです。
- They got married last year.(二人は昨年結婚しました)
- Get ready.(準備してください)
- I need to get dressed.(着替えないといけません)
- We got lost.(道に迷いました)
未婚から既婚へ、準備前から準備完了へ、服を着ていない状態から着た状態へ、道が分かる状態から分からない状態へ。すべて変化後の地点に到達しています。
3.get to+場所/get home:目的地へ到達する
場所への移動では、getの「到達」がそのまま見えます。
- What time did you get home?(何時に帰宅しましたか)
- I got to the station at nine.(9時に駅へ着きました)
- How do I get to the airport?(空港へはどう行けばいいですか)
- We finally got there.(私たちはようやくそこへ着きました)
goが「進んでいく動き」に焦点を当てるのに対し、getは目的地へたどり着いた結果に焦点があります。
なお、home、here、thereの前には通常toを置きません。get home、get here、get thereを一つのかたまりとして音ごと覚えてください。
4.I get it.:意味が頭へ届く
I get it. は「分かります」です。これもgetの例外的な意味ではありません。
相手の話や意図が、自分の頭の中まで届く。分からなかった状態から、分かった状態へ変化する。だからgetで理解を表せます。
- I get it.(分かります)
- I don’t get it.(分かりません)
- Did you get my point?(私の言いたいこと、分かりましたか)
- I didn’t get what he said.(彼の言ったことが分かりませんでした)
- I don’t get his joke.(彼の冗談が理解できません)
understandを使っても構いません。ただ、日常会話のI get it.には、「今、こちらまで届いた」「ああ、なるほど」という動きが感じられます。
動画でgetのコアイメージを確認する
しゅみすけ英語チャンネルの「基本動詞Top55」では、海外ドラマ『フレンズ』シーズン1〜5の会話から頻出動詞を抽出し、実際の会話で重要な順に解説しています。getは第4位、動画の27:57ごろからです。
getの解説から直接見る方はこちら:基本動詞Top55のget解説(27:57〜)
1分で復習したい方は、「getが分かると英語は一気に楽になります」もご覧ください。
have・take・getの違いを比べる
ここまで公開したhave、takeと並べると、それぞれの役割が見えます。
| 基本動詞 | 中心の感覚 | イメージ |
|---|---|---|
| have | 自分の領域にある | 状態 |
| take | 自分の意思で選び、自分側へ取り込む | 選択・働きかけ |
| get | 変化して、新しい地点へ届く | 変化・到達 |
例えば、I have a car. は「車が自分の領域にある状態」。I got a car. は「持っていない状態から、車が手元に入った変化」です。
一方、I’ll take this car. なら、複数の選択肢からこの車を選び取る意思に焦点があります。
詳しくは、haveのコアイメージと、takeのコアイメージもあわせてご覧ください。次の記事では、特に混乱しやすいtakeとgetの違いを場面別に整理します。
getを会話で使えるようにする3分トレーニング
getの意味を説明できても、まだ会話で使えるとは限りません。次の型へ、自分の生活に関係する言葉を入れて声に出してください。
- I got …(〜を手に入れた/受け取った)
- I got+形容詞(〜の状態になった)
- I’m getting+形容詞(だんだん〜になっている)
- I got to …(〜へ着いた)
- I get / don’t get …(〜が分かる/分からない)
例えば、I got a message.、I got nervous.、I’m getting hungry.、I got to the office at nine.、I don’t get his point. のように、自分の一日から例文を作ります。
ポイントは、先に日本語訳を決めないことです。「何かが届いた」「気分が変わった」「目的地へ着いた」「意味が頭へ届いた」という場面を思い浮かべ、その変化の矢印にgetを重ねてください。
基本単語を知っているのに会話で出てこない方は、英単語を覚えても話せない理由と、会話で使える単語に変える4つの覚え方も参考にしてください。
まとめ:getは「得る」ではなく変化と到達で覚える
getには、得る、買う、もらう、着く、なる、分かるなど、多くの日本語訳があります。しかし、ネイティブがその意味を一つずつ辞書から選んでいるわけではありません。
- get a present:プレゼントが手元へ届く
- get tired:疲れた状態へ変わる
- get home:家へ到達する
- get better:より良い状態へ変わる
- I get it.:意味が頭へ届く
すべての中心にあるのは、変化して、新しい状態・場所・所有・理解へ到達するという一本の矢印です。
getを見たら、すぐ日本語訳を探すのではなく、「何が、どこから、どの地点へ変化したのか」を見てください。英語の景色がかなりシンプルになるはずです。
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