have=持つ、take=取る、get=得る。
学校では、まずこのように習います。もちろん、完全な間違いではありません。ただ、この日本語訳だけで英会話をしようとすると、すぐに困ります。
- have breakfast(朝食を食べる)
- take a bus(バスに乗る)
- get tired(疲れる)
「持つ」「取る」「得る」が、もうどこにも見当たりません(笑)。そこで意味を一つずつ追加していくと、haveは「食べる」、takeは「乗る・撮る・休む・飲む」、getは「買う・着く・なる・分かる」……と、辞書の項目がどんどん増えていきます。
でも、ネイティブが会話のたびに辞書の何番目の意味かを選んでいるわけではありません。中心にある感覚、つまりコアイメージから場面を捉えています。
こんにちは。しゅみすけ(大山俊輔)です。この記事では、英会話で非常によく使われる基本動詞have・take・getの違いを、一つの出来事の流れとして整理します。
take=自分の意思で選び、自分側へ取り込む
get=変化して、新しい地点へ到達する
have=自分の領域にある状態
この3語を短くまとめるなら、takeは選択、getは変化、haveは状態です。
have・take・getの違いを一覧で比較
| 基本動詞 | コアイメージ | 焦点 | 代表例 |
|---|---|---|---|
| have | 自分の領域にある・一緒にある | 状態 | have a car / have lunch |
| take | 自分の意思で選び、自分側へ取り込む | 選択・動作 | take a taxi / take a break |
| get | 変化して、新しい地点へ到達する | 変化・結果 | get home / get tired |
ポイントは、三つとも「自分側」と関係していることです。ただし、カメラが映している瞬間が違います。
- 対象を選び取る動きを映す:take
- 対象や自分が新しい地点へ移る変化を映す:get
- 対象が自分の領域にある静止画を映す:have
日本語訳から英単語を選ぶのではなく、「今、どの瞬間を見ているのか」を考える。これがhave・take・getを使い分ける基本です。
haveのコアイメージは「自分の領域にある状態」
haveを「持つ」だけで覚えると、手で持てないものにhaveが使われた瞬間に混乱します。
- I have a car.(車を持っています)
- I have two sisters.(姉妹が二人います)
- I have a headache.(頭が痛いです)
- Let’s have lunch.(昼食を食べましょう)
- We had a good time.(楽しい時間を過ごしました)
車、家族、頭痛、昼食、楽しい時間。日本語では別々の動詞を使いますが、英語ではすべて「自分の領域・経験の中にある」と捉えられます。
I have a car. は、車が現在、自分のテリトリーにある状態。I have a headache. は、頭痛という症状が自分にくっついている状態。have lunch は、昼食という時間・経験を自分の中に持つ感覚です。
つまりhaveは、物理的に握る動作ではありません。人・物・状態・経験が自分と一緒にあることを表します。詳しくは、haveのコアイメージは「持つ」ではない|英会話で使える5つの型と例文で解説しています。
takeのコアイメージは「選んで自分側へ取り込む」
takeには、話し手の意思や働きかけが感じられます。目の前の選択肢から一つを選び、自分の行動・経験・領域へ取り込む動詞です。
- I’ll take the blue one.(青い方にします)
- Let’s take a taxi.(タクシーで行きましょう)
- Let’s take a break.(休憩しましょう)
- Take your medicine.(薬を飲んでください)
- Can you take a picture?(写真を撮ってくれますか)
take a taxi では、移動手段としてタクシーを選びます。take a break では、仕事を続ける流れから休憩という時間を選び取ります。take medicine では、薬を自分の体の中へ取り込みます。
日本語訳は「乗る・休む・飲む・撮る」と変わっても、英語側では対象を選んでこちら側へ取り込む動きが共通しています。詳しくは、takeのコアイメージは「取る」ではない|乗る・撮る・休むがつながる使い方をご覧ください。
getのコアイメージは「変化して新しい地点へ到達する」
getは、何かが動いて新しい地点へ届く感覚です。その到達点は、手元・場所・状態・理解などさまざまです。
- I got a new job.(新しい仕事が決まりました)
- I got home at ten.(10時に家へ着きました)
- I got tired.(疲れました)
- It’s getting cold.(寒くなってきました)
- I get it.(分かります)
get a new job は、仕事がない状態から仕事がある状態へ。get home は、家の外から家へ。get tired は、疲れていない状態から疲れた状態へ。I get it. は、意味が分からない地点から分かる地点へ移っています。
「得る・着く・なる・分かる」を別々に覚える必要はありません。すべての中心にあるのは変化+到達です。詳しくは、getのコアイメージは「得る」ではない|なる・着く・分かるがつながる使い方で確認できます。
同じ出来事をhave・take・getで切り取る
三つの動詞を別々に暗記するより、一つの物語として並べると違いがよく分かります。
カメラを買う場面
- I’ll take this camera.(このカメラにします)
- I got a new camera.(新しいカメラを手に入れました)
- I have a new camera.(新しいカメラを持っています)
店頭で選ぶ瞬間はtake。その結果、持っていない状態から手元に入った変化はget。今、カメラが自分の所有領域にある状態はhaveです。
旅行へ出かける場面
- I have a ticket.(チケットを持っています)
- I’ll take the train.(電車で行きます)
- I’ll get to Kyoto at noon.(正午に京都へ着きます)
チケットが自分の手元にある状態はhave。移動手段として電車を選ぶのはtake。最終的に京都へ到達するのはgetです。同じ旅行の中で、三つの基本動詞が自然に役割分担しています。
似た英文で分かるhave・take・getの違い
| 英文 | 意味 | 見ている場面 |
|---|---|---|
| I have time. | 時間があります | 使える時間が自分にある状態 |
| It takes time. | 時間がかかります | 必要な時間を取り込む |
| I finally got some time. | ようやく時間ができました | 時間がない状態から、ある状態へ変化 |
| I have a job. | 仕事があります | 仕事が自分の領域にある状態 |
| I’ll take the job. | その仕事を引き受けます | 仕事を選んで引き受ける |
| I got the job. | その仕事に決まりました | 採用されて仕事を得た結果 |
日本語では似た話に見えても、英語では状態・選択・変化のどこを伝えるかで動詞が変わります。
特にtakeとgetは、どちらも対象が自分側へ来るため混乱しやすい組み合わせです。さらに詳しい場面別比較は、takeとgetの違いは?「取る」では分からない使い分けにまとめています。
動画で基本動詞のコアイメージを確認する
しゅみすけ英語チャンネルの「基本動詞Top55」では、海外ドラマ『フレンズ』シーズン1〜5、約39時間分の会話をもとに、実際によく使われる基本動詞を頻出順で解説しています。getは第4位、haveは上位の中心語、takeも第19位に登場します。
- 長尺:haveの本質を例文とイラストで学ぶ
- 基本動詞Top55のget解説(27:57〜)
- 基本動詞Top55のtake解説(1:12:03〜)
- ショート:getが分かると英語は一気に楽になります
- ショート:takeの本当の意味、これ一つで全部つながります
have・take・getを会話で使う3分トレーニング
コアイメージを理解したら、自分の生活を素材にして三つの場面を声に出してください。
- have:今、自分の領域にあるものを3つ言う
I have a laptop. / I have a meeting today. / I have some free time. - take:今日、自分で選んで取り込む行動を3つ言う
I’ll take the train. / I’ll take a short break. / I need to take this medicine. - get:今日起きた変化や到達を3つ言う
I got home late. / I got hungry. / I got a message from my friend.
先に日本語訳を完成させる必要はありません。自分の周りにある静止画ならhave、自分が手を伸ばす動作ならtake、状態や場所が変わる動画ならget。この映像から英語を出す練習をします。
まとめ:have・take・getは「状態・選択・変化」で理解する
have・take・getには多くの日本語訳があります。しかし、基本のコアイメージはシンプルです。
- have:人・物・状態・経験が自分の領域にある
- take:自分の意思で対象を選び、自分側へ取り込む
- get:何かが変化して、新しい状態・場所・所有・理解へ到達する
同じカメラでも、選ぶ瞬間はtake、手に入る変化はget、手元にある状態はhaveです。辞書の日本語を増やすより、この一本の映像を頭に入れる方が、リスニングでもスピーキングでもはるかに役立ちます。
英会話は難しい単語を次々に覚えるゲームではありません。ネイティブが繰り返し使う基本動詞を、訳ではなく感覚で動かせるようにすること。have・take・getは、その入口として非常に優れた3語です。
基本動詞の矢印をさらに広げたい方は、goのコアイメージと、対になるcomeのコアイメージ、二つを場面別に整理したgoとcomeの違いもご覧ください。
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