海外ドラマを見ていると、セリフのスピードや知らない表現の多さに圧倒されることがあります。ところが、実際の会話を動かしているのは、難しい動詞ばかりではありません。
be・have・do・get・know・goのように、学校で早い段階に習った基本動詞が、形や組み合わせを変えながら何度も登場します。
しゅみすけ(大山俊輔)
僕自身、単語帳で2万語以上を覚えました。でも、アメリカの大学院や外資系企業4社で実際に英語を使って分かったのは、会話では少数の基本動詞が驚くほど繰り返し使われるということでした。
英会話スクール「b わたしの英会話」・英語コーチング「be:RIZE」創業者
そこで今回、海外ドラマ『フレンズ』シーズン1〜5の会話データをもとに、日常会話で頻出する基本動詞の上位30語を整理しました。単語の意味を一つずつ暗記するためではなく、海外ドラマのセリフを支える「英語の部品」を見るための一覧です。
『フレンズ』約43万語から基本動詞を調べた方法
今回のもとになったのは、しゅみすけ英語チャンネルの「基本動詞Top55」を制作する際に行った独自分析です。
- 対象:海外ドラマ『フレンズ』シーズン1〜5
- 会話時間:約39時間
- 集計した全単語:428,591語
- 動詞として抽出した語:約6万語
文字起こしデータから動詞を抽出し、活用形や会話上の使われ方を確認しながら、学習用の基本動詞リストとして整理しました。固有名詞や相づちなどを除き、be動詞の活用形や同じ動詞の変化形は、学習上分かりやすい形へまとめています。
したがって、これは言語学研究用の厳密なコーパス順位ではなく、海外ドラマの日常会話から、英語学習者が優先して理解したい動詞を見つけるための独自調査です。それでも、難しい動詞より、見たことのある基本動詞が上位に集中する傾向は明確でした。
海外ドラマで頻出する基本動詞30選
順位だけを見るのではなく、右側の「中心にある感覚」に注目してください。各動詞の詳しい解説があるものは、単語名から個別記事へ進めます。
| 順位 | 基本動詞 | コアイメージ・会話での役割 |
|---|---|---|
| 1 | be動詞 | 存在・状態として「ある」 |
| 2 | have | 人・物・経験が自分の領域にある |
| 3 | do | 活動・作業・役割を実行する |
| 4 | get | 変化して新しい状態へ到達する |
| 5 | know | 情報をすでに自分の中に持っている |
| 6 | go | 今いる場所・状態から離れて進む |
| 7 | come | 会話の中心・相手・ゴールへ近づく |
| 8 | think | 頭の中に考えや映像を置く |
| 9 | like | 対象に心が向く/何かに似ている |
| 10 | look | 意識して視線を向ける |
| 11 | see | 視野に入り、見える・分かる |
| 12 | say | 言葉・セリフそのものを口に出す |
| 13 | tell | 情報を人へ向けて伝える |
| 14 | talk | 人と人の間で言葉をやり取りする |
| 15 | make | 手を加えて結果・状態を生み出す |
| 16 | mean | 言葉・行動が意図や内容を指し示す |
| 17 | want | 自分に足りないものへ手が伸びる |
| 18 | need | 目的のために欠かせない条件がある |
| 19 | take | 自分の意思で選び、自分側へ取り込む |
| 20 | love | 対象へ心が強く引かれ、結びつく |
| 21 | thank | 受け取った好意を認識し、感謝を返す |
| 22 | call | 声・名前を相手へ届ける |
| 23 | ask | 情報・助けを求めて相手へ働きかける |
| 24 | give | 自分の側から相手側へ差し出す |
| 25 | work | 働きかけ、機能して結果を生む |
| 26 | feel | 感覚・心で状態を受け取る |
| 27 | leave | ある場所・状態から離れ、何かを残す |
| 28 | put | 対象をある位置・状態へ置く |
| 29 | try | 結果が分からないものへ一歩出す |
| 30 | let | 止めずに、相手や出来事を進ませる |
上位10語は「知っている」だけでは足りない
上位に並ぶのは、ほとんどが中学英語の初期に習う単語です。それでも海外ドラマが聞き取れないのは、単語そのものを知らないからとは限りません。
たとえばgetを「得る」、goを「行く」、haveを「持つ」だけで覚えていると、次のような短いセリフが別々の表現に見えます。
- I get it.(分かった)
- It’s getting late.(遅くなってきた)
- How did it go?(どうだった?)
- The pain is gone.(痛みがなくなった)
- We’re having a problem.(問題が起きている)
しかし、getを「変化して到達する」、goを「今の場所・状態から離れる」、haveを「自分の領域にある」という感覚で見ると、訳語が変わっても同じ動きとして捉えやすくなります。

基本動詞そのものの全体像と学ぶ順番は、英語の基本動詞とは?コアイメージ学習法と解説記事一覧で整理しています。
基本動詞は前置詞・副詞と組み合わさるとさらに広がる
海外ドラマでは、基本動詞が単独で使われるだけではありません。up・out・over・backなどが後ろにつくことで、短く自然な句動詞になります。
- get + over → get over(つらい状態や障害を越える)
- come + over → come over(こちら側へやって来る)
- give + up → give up(上へ差し出し、手放す)
- work + out → work out(働きかけた結果が外へ出る)
- put + off → put off(今の位置から先へずらす)
be:RIZEでは、句動詞が基本動詞+前置詞・副詞から生まれる仕組みを解説しています。完成した句動詞の意味・語順・例文を場面別に調べたい方は、b-cafe.netの海外ドラマ・映画でよく出る句動詞80選も参照してください。
しゅみすけ(大山俊輔)
be:RIZEで部品の感覚をつかみ、b-cafe.netで完成した句動詞を場面ごとに確認する。この往復ができると、表現を丸暗記する負担がかなり減ります。
海外ドラマで基本動詞を身につける3つの見方
1.日本語字幕を見る前に主語と動詞を拾う
一文を全部聞き取ろうとせず、まず誰が、どの動詞を使ったかを確認します。主語+動詞が分かると、その後ろの情報を場面へ足しやすくなります。
2.同じ動詞が違う意味に訳される場面を集める
getが「得る」「なる」「着く」「分かる」と訳された場面を別々に暗記するのではなく、どんな変化や到達が共通しているかを考えます。訳語の違いより、画面の中で起きた動きを見ます。
3.セリフの型を自分の生活へ着せ替える
I need to talk to you.を覚えたら、目的語や状況を変えてI need to call my client.、I need to get some rest.のように、自分が実際に言いそうな文へ変えます。
海外ドラマを何度見るか、字幕をどう使うかは、『フレンズ』で英語学習する方法と海外ドラマ1話を使い切る練習法でも詳しく解説しています。
まとめ|海外ドラマは「知らない単語探し」から卒業する
『フレンズ』シーズン1〜5、428,591語を調べると、会話の中心にいたのは、be・have・do・get・know・goなどの身近な動詞でした。
大切なのは、30語の日本語訳をもう一度暗記することではありません。一つの動詞が、場面・目的語・前置詞によってどう広がるかを観察することです。
まずは上位10語から、海外ドラマの中で出会った使い方を一つずつ集めてみてください。知っているはずの単語が立体的に見え始めると、セリフの聞こえ方も、自分で英語を組み立てる感覚も変わってきます。





[…] 前回、『フレンズ』シーズン1〜5・428,591語から基本動詞を調べた記事でも、be・have・do・get・know・goなどの身近な動詞が会話の中心にいることを確認しました。今回は同じ基本動詞を、聞き取る側ではなく、自分で使う側から整理します。 […]